宇宙開発・探査編:「今日はとことん答える60分」質問に答えるよ!
2014年8月27日(水)
- ホシモの部屋
- メディア
8月22日(金)の夏休み特別インターネット配信「ファン!ファン!JAXA!生放送! 今日はとことん答える60分」はご覧いただけましたか?
さて、このトピックスでは、番組にさきだって本サイトで小中学生の皆様からお寄せいただいた質問のうち生放送で取り上げなかったもの、なかでも「宇宙開発・探査」分野について、JAXA職員(坂下・竹井)と編集部がお答えします。
宇宙開発、探査についてのご質問
ロケットから火をだしたらなんで上に飛んでいくんですか?
ロケットは、ガスをものすごい勢いで吹き出して、その反動で速度を得ます。原理としては大きく膨らませたゴム風船が口を離したときに飛んでいくのと変わりありません。 |
この冊子も読んでね!(編集部) |
人工衛星が軌道に乗るためにどれくらいの速度が必要なんですか?
打ち上げた人工衛星が、重力で戻ってこないためには「第一宇宙速度」を超える必要があります。地球の第一宇宙速度は秒速 7.9 km です。 |
この冊子も読んでね!(編集部) |
なぜ、ミッションマークは作られるのですか?
「全ての衛星には、ミッションマークはありますか?なぜ、ミッションマークは作られるのですか?」というご質問をいただきました。
左:「きぼう」日本実験棟のミッションロゴを持つ若田宇宙飛行士と野口宇宙飛行士 |
右:JAXAプロジェクトのさまざまなミッションロゴマーク |
日本の人工衛星や探査機でも、全てにミッションマークがあるわけではありません。
最近は開発やミッションに携わるチームのまとまりの象徴とすることや、一般の方々により親しんでいただくためにミッションマークを作ることが多くなりました。
JAXAの画像・映像素材提供サービス「JAXAデジタルアーカイブス」には、たくさんのJAXA画像が登録されています。“キーワード検索”で「ミッションマーク」「ミッションロゴ」「ミッションパッチ」などのキーワードを入力して検索すると、JAXAのさまざまなミッションマークが見つかりますよ。(編集部)
宇宙で一番面白かった実験は?
ISSでくるくると回るペンチ Medaka Osteoclast実験の準備作業を行う星出宇宙飛行士(C)JAXA/NASA |
「今まで宇宙でやった実験で一番面白かったのはなんですか? 私はロウソクの火が丸くなるのがすごいと思いました。」というご質問をいただきました。 「きぼう」では宇宙ならではの環境を活かして色々な実験が行われています。インフルエンザなどに効く薬の開発に役立てるためのタンパク質の結晶を作ったり(参考[1])、電子部品の性能を高める新しい材料を作る実験もしています。 実験ではありませんが、ペンチを無重力で浮かせてくるくる回したときの動きはとても面白いものです(参考[2])。回転の軸があちこちに移っていく複雑な動きをします。また、水が球形に浮かんだり、手などの表面に膜状にべったり張り付く楽しいものです。 星出飛行士は、自分が担当した中では、メダカの飼育実験(参考[3])と「きぼう」からの超小型衛星の放出が印象に残っている、と言っていました。(坂下) |
ISSのルームランナーで走るのは、地球で走っているのと同じ運動量?
「ISSの宇宙飛行士がルームランナーで走っているのを見たのですが、地球で走っているのと同じ運動量になるのですか?ISSは無重力なので体を固定していても軽そうです。」というご質問をいただきました。
ルームランナー(トレッドミルと言います)で宇宙飛行士が走っている様子をJAXAが公開している映像などでよく見てみるとわかるのですが、腰とトレッドミルを紐状のゴムで繋いで引っ張っているのがわかると思います。こうすることで、所定の運動量を確保するだけでなく、紐の長さを調節することで、運動の強さも加減しています。(坂下)
参考:
私たちが宇宙にすめるようになるのはいつ頃ですか?
費用のことさえ考えなければ、地球からの補給を頼りに宇宙に住み続けることは、現在でも技術的には可能です。以前、ISSに宇宙飛行士以外に旅行者として何人かが滞在したことがあります。
でも、地球からの補給に頼らず、自給自足で生活できるようになるまでにはかなりの時間がかかると思います。(坂下)
宇宙開発を通して国際理解が深まったというエピソードを教えて!
ロシアで水上サバイバル訓練に参加するオレッグ・コノネンコ、油井亀美也、ケル・リングリン宇宙飛行士 (C) JAXA/GCTC 米国の船外活動においてISSとの交信担当(CAPCOM)を務める星出宇宙飛行士 (C)JAXA/NASA |
「国際理解というテーマで調べ学習をしています。宇宙開発を通して国際理解が深まったというエピソードを教えてください。」というご質問をいただきました。 国際理解というのは色々な意味があると思いますが、日本がISS計画に参加することで、これまでロシアやアメリカ、ヨーロッパが培ってきた有人宇宙技術やその考え方を理解することが出来たのは大きな収穫でした。 |
火星には人間が住める? 人間ではない生物は存在する?
「火星には人間が住める十分な環境はあるのでしょうか?また、火星には人間ではない生物は存在するのですか?」というご質問をいただきました。
火星は大気が薄く (地球の 1% 未満)、温度が低い (最高気温 -60 度) ので、そのまま人間が済むのは大変そうです。人間が住もうと思ったら、まずは建物をたてないといけなさそうですね。また、今のところ生物が存在する証拠はありません。以前に「火星に微生物が見つかった」というニュースがかけめぐり、私もどきどきしたのですが、残念ながら証拠とは言えず、間違いだった可能性が高いそうです。(竹井)
火星に生命が存在するか、もしくはしたかについて、これまで確認されていません。過去に火星に液体の水が存在した可能性が考えられることから、生命が存在した可能性についても探査が続けられています。(坂下)
火星探査車「キュリオシティ」(C)NASA
現在も、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が火星を探査中です。2014年9月23日(祝)まで開催中の「宇宙博 2014 ―NASA・JAXAの挑戦―」では、「キュリオシティ」の実物大モデルを展示中!(編集部)
参考:
日本は月や火星に行くのですか?
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ISSの次に宇宙探査を行っていくことで国際的な話し合いが始まったところで、具体的な計画は決まっていませんが、月や火星の探査が有力な候補と考えられています。特に有人宇宙探査については、大規模なプロジェクトになることから、国際協力が欠かせない、というのがほぼ各国の共通認識と言えると思います。 |
宇宙食は、おいしいんですか?
若田宇宙飛行士と宇宙食 |
宇宙食には、温めて食べる袋入りのレトルトや、水やお湯で戻す乾燥食品のフリーズドライ、缶詰、ドライフルーツなどそのまま食べるものなどがあります。 |
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みんな、参考になったかな? |