6月13日は「はやぶさの日」

2017年6月13日(火)

  • プロジェクト
  • 人工衛星・探査機
このエントリーをはてなブックマークに追加

[映像] 小惑星探査機「はやぶさ」帰還編
11'00''~11'30"付近でカプセル帰還時の様子が見られます。はやぶさ~、お帰り~!!

あの日、「はやぶさ」の約7年におよぶ波瀾万丈の旅が終わりの時を迎えた…

2010年6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」は7年あまりの旅を終えて地球へ帰還を果たしました。 落下地点となったオーストラリア・ウーメラ砂漠の満天の星々に埋め尽くされた夜空の中、夜11時21分(現地時間)に、「はやぶさ」は北西から小さな光る点となって現れました。 「はやぶさ」本体はまだ残っていたキセノンガスと化学エンジンの酸化剤によって満月の倍くらいのまばゆい光を放ちながら2度大きく爆発して、45秒ほどで南十字星の方角に消えていきました。

カプセルを回収する様子

燃え尽きようとする「はやぶさ」の脇にはスーッと一筋の光が伸びていました。「はやぶさ」本体から切り離されて地球に降りてきたカプセルでした。カプセルは予想された落下地点にほぼぴったりに落下しました。すぐにヘリコプターが上空から砂漠に落下したカプセルの姿が確認されました。
2592日間かけて地球と小惑星の間をおよそ60億kmを飛行した「はやぶさ」の旅はここに終わりを迎えました。この帰還に日本中の人々が拍手し、大喜びしました。

「はやぶさ」は社会現象として注目を集めた

「はやぶさ」の帰還をきっかけに、私たちの身の回りには関連イベントや映画、書籍、グッズなどがあふれました。
「はやぶさ」への応援と感謝がさまざまな形となって表現されたのでした。

帰還した本物の再突入カプセルは日本全国計69カ所を巡回し、約89万人もの来場者を集めました。

全国各地で実物大や1/2スケールなど大きな模型がたくさん作られました。


回収されたサンプルは、世界中の研究者がその分析結果に注目した

回収されたサンプルは各地の研究機関により初期分析が行われて、イトカワの素顔を明らかにしました。 その結果の一部は、2011年8月発行のアメリカの科学誌「サイエンス」で特集として紹介されました。

2016年6月には、松本徹宇宙航空プロジェクト研究員率いる研究チームが、イトカワの微粒子の表面模様を分析した結果、40億年以上昔から現在に至るまでの歴史が刻まれていることを発見しました。

微粒子の表面の様子。イトカワがより大きな天体の一部だった約45億年前に、熱で温められた後に冷やされ、結晶化した跡が残っている。(バーの長さは0.5マイクロメートルに対応)

「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ

「はやぶさ2」の旅

2014年12月、有機物や水が含まれていると考えられているC型の小惑星リュウグウに向けて「はやぶさ2」が旅立ちました。現在「はやぶさ2」は第2期イオンエンジン連続運転が無事終了し、リュウグウに向かって順調な航行を続けています。

はやぶさ2プロジェクトサイトでは、リュウグウと「はやぶさ2」の位置関係を表示



本トピックスは2014年6月13日に掲載した「今日は「はやぶさ、おかえりー!」の日」を改稿してお届けしています。