はやぶさ2 地球に向けて出発!
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いよいよ小惑星「リュウグウ」から出発!
「はやぶさ2」は、約1年5カ月に及んだ小惑星「リュウグウ」での調査、観測を終え、11月13日(水)10時頃(日本時間)に、地球に向け「リュウグウ」を出発します。
最初は秒速約10cmで「リュウグウ」から遠ざかり始め、その後5日間ほどは遠ざかる「リュウグウ」を撮影する予定です。
地球に帰ってくるのは2020年末
「リュウグウ」出発後、12月上旬からイオンエンジン巡航運転に入り、2.4億キロ彼方からの航海を経て、来年末(2020年末)の地球帰還を目指します!
「たまてばこ」と「うちでのこづち」(次事項参照)からのお宝(試料)を無事に届けられるよう、安全かつ確実に運用します。両方からの試料採取となれば、世界初の複数地点での試料採取となります。
2回目(7月11日)の着地で「うちでのこづち」からお宝をゲットか
(世界初の複数地点の試料採取)
人工クレーターから噴出した地下物質が1cm程堆積していると推定する場所への着地に成功しました。
「はやぶさ2」が2回目の着地をしたこの地点に「うちでのこづち」という愛称を付けました(1回目に着地した地点の愛称は「たまてばこ」)。「うちでのこづち」から地下物質(お宝)が採取できていることが期待されています。地下物質は太陽風や宇宙線による変質が少ないと考えられ、有機物質の有無を調べるには重要です。
2回目の着地場所も・・・
今回の着地場所も半径3.5m程と狭く、難易度が高い挑戦でしたが、「はやぶさ2」とプロジェクトチームの現在の実力で成し得ることが極めて高いことを確認した上で、最善の注意を払いつつ実行に移し、見事に成功を収めることができました。
着地の誤差は約60cm!!
10万回以上のシミュレーションにより、綿密に設計したプログラム通りに誘導制御できれば、安全に着地できることを確認。2.4億km彼方の天体へ、誤差は僅か60cmの場所に着地することに成功。
小惑星探査の意義
地球が水と生命に富む奇跡的な惑星になれた条件や、将来に亘って維持するために重要な情報を求めて
本来なら、地球に水は存在しなかったはず?!
太陽に近い所では水は水蒸気になって揮発し、遠い所では氷になって固まります。このスノーラインと呼ぶ境界の内側にある地球に、本来、水はなかったはずです。
スノーライン外側から水や有機物が原始の地球に運ばれた?
地球が、生命の住める「水惑星」になれたのは、スノーライン外側から水や有機物が運ばれたからと考えられています。その運び手として、小天体、彗星や、流れ星となって地球に降り注ぐ「宇宙の塵」などが考えられます。
地球の水や有機物の起源を探る
地球に水や有機物を運んだと考えられる天体を対象とした一連のミッションを計画しています。
はやぶさ(初号機)による世界で初めて小惑星に着陸してサンプルを持ち帰り、小惑星探査の世界的潮流を作った日本が、そのサンプル・リターン技術などをさらに発展させ、引き続き世界を先導します。