“L+44” 「縁の下の力持ち」 改め、「大黒柱」
2015年1月16日(金)
- プロジェクト
- 人工衛星・探査機
1月16日、L+44です。
前回のレポートにお寄せいただいたコメントの中で、通信系・地上系担当者にとって非常に励みとなるお言葉をいただきました。
「通信機器は、はやぶさ2のミッション成功の全てを担う大黒柱といっても過言ではないですよ!」と。
とかく探査機本体やミッションの話題が表に出がちですが、「はや2」ミッションの一つ「衝突装置」のように、L+では奥に潜んだ話題も掘り起こしていきたいと思います。
今回のレポートでは引き続き通信系の話題となります。レポートタイトルを前回から改め、気分も新たにお伝えします。
1月5日から10日にかけてKa帯通信機能の確認、試験運用を集中的に行いました。NASA深宇宙ネットワーク(DSN)各局を介した通信は正常で、探査機の状態を示すデータ(テレメトリデータ)の取得、精密な位置決定のための測定(レンジング)、DDOR(読み:デルタドア。詳しくは「はや2コラム」第11回をご覧ください)などの機能確認もできています。これは深宇宙でのKa帯通信を、「はやぶさ2」が日本の探査機として初めて確立したことになります(前回、さらっと書きすぎてしまいました…、申し訳ありません)。
では、Ka帯通信の確立が意味するところは?
その一つは、「はやぶさ2」が小惑星1999 JU3の様々な観測ミッションを行う際、取得した大量のデータをできるだけ早く地上に届けることで、運用者・サイエンティストの状態把握と次の推測・判断を素早くすることが可能となることです。「はやぶさ2」との通信時間は、探査機と地球との距離が遠い時には往復約40分かかってしまうこともあるため、データ取得が早くできればより確実な運用につながります。
今回のKa帯通信の試験運用では、ある画像の取得も試みました。
その画像がこちら。
Ka帯通信の試験運用で取得したスタートラッカ画像(1月10日取得) |
そうです。L+レポート始動の回で紹介した「スタートラッカ」が撮影した画像の一部です。 < ヒント >
正解は次回以降のL+で発表します。 |
<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年1月16日14時0分(日本時間) 現在
太陽からの距離 | : | 1億5,683万km |
地球からの距離 | : | 1,767万km |
赤 経 | : | 75.31度 |
赤 緯 | : | -22.15度 |
航行速度 | : | 28.4km/s |
地球から見た「はやぶさ2」の方向
はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―
打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、月・惑星探査プログラムグループ広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。