「はやぶさ2」、ミッションパッチにこめた思い

2014年10月28日(火)

  • プロジェクト
  • ロケット
  • 人工衛星・探査機
このエントリーをはてなブックマークに追加

JAXAはじめ各国の宇宙開発機関などのプロジェクト・ミッションでは、プロジェクトメンバーのまとまりの象徴とすることや、一般の方々により親しんでいただくためのマーク「ミッションパッチ(ミッションロゴとも)」を作ることがあります。
ミッションパッチは、ミッションの名前や目的、特徴、目標などが伝わるように図案が練られています。

「はやぶさ2」にもミッションパッチがありますので、ご紹介します。

まず目に入るのは中央に描かれている「はやぶさ2」の機体と、目的地となる未踏の小惑星1999 JU3。「はやぶさ2」が小惑星にタッチダウンするところが、イラストになっています。

「はやぶさ2」の機体には、プラズマジェットを出すイオンエンジンをはじめたくさんのミッション機器が描かれています。
上部には、地球から出発して月・火星をつらぬき地球に戻ってくる矢印。この矢印は「はやぶさ2」の旅路というだけでなく、今後の太陽系探査をリードする技術や科学を進めていこう!というJAXAの意思を示しています。
また、赤い背景の形は、「はやぶさ2」特有の2つの平面アンテナを表現しているんですよ。



國中プロジェクトマネージャによる、ミッションパッチの紹介

國中プロジェクトマネージャは2014年2月ISASニュース掲載のコラムで、次のように解説しています。

直方体形状の主構造に2翼の太陽電池を擁する探査機全体像が中心に描画されています。下面(-Z面)に多くの観測装置・搭載機器を配し、右側面(-Y面)にMASCOT分離ロボット、正面(-X面)にスタートラッカー、帰還カプセル、赤外分光器(NIRS3)が見えます。背面(+X面)のイオンエンジンからプラズマジェットが噴射されています。下方にはまだ見ぬ小惑星表面を、上方には太陽系の外側から内側へ向かって火星・月・地球(国際宇宙探査協働グループ[ISECG:International Space Exploration Coordination Group]のロゴマークをオマージュ)を望みます。そして「はやぶさ2」の来し方行く末を示す黄色い矢印。パッチ全体形状は上面(+Z面)に搭載された2式の円形平板アンテナをモチーフにしています。

深宇宙に向けて大航海に出発する「はやぶさ2」。ミッションパッチを見ながら、プロジェクトメンバーが託した意図に思いをめぐらせてみてくださいね。