「はやぶさ2」と「はやぶさ」。どこが違うの?
「はやぶさ2」について,科学衛星や探査機について
小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)は、「はやぶさ」(MUSES-C)の後継機です。その目的は、C型の小惑星「リュウグウ」を探査し、サンプルを持ち帰ること。
C型小惑星には、その構成物質に有機物や水が含まれていると考えられています。地球誕生の謎に加えて、海の水の起源や生命の原材料となった有機物の起源を探る、それが「はやぶさ2」が目指していることなのです。
多くの“世界初”に挑戦したミッションが「はやぶさ」ですが、「はやぶさ2」では、「はやぶさ」の経験を活かして小惑星探査技術をより確実なものにすることを目指します。それと同時に、人工クレーターの生成、深宇宙での高速通信、新規の観測装置など、新しい技術にも挑戦します。
「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ
探査機 |
小惑星探査機「はやぶさ」 |
小惑星探査機「はやぶさ2」 |
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目的 | 深宇宙往復探査に必要な5つの工学実証 | C型小惑星からのサンプルリターンおよび確実な深宇宙往復調査技術の確立 |
探査機形状 | 1m×1.6m×1.1m(探査機本体) | 1m×1.6m×1.25m(探査機本体) |
探査機重量 | 510kg(燃料込み) | 約600kg(燃料込み) |
打ち上げ年/ロケット | 2003年5月9日/Μ-Vロケット5号機 | 2014年12月3日/H-IIAロケット26号機 |
推進系 | イオンエンジン/化学推進エンジン | イオンエンジン/化学推進エンジン(改良型) |
送信用アンテナ | X帯パラボラアンテナ | X帯平面アンテナ/Ka帯平面アンテナ |
ミッション機器 | ||
・近赤外分光器 | ・近赤外分光計(水の検出も目指す) | |
・蛍光X線スペクトロメータ | ・中間赤外カメラ(熱慣性の計測) | |
・マルチバンド分光カメラ | ・多バンド可視カメラ | |
・レーザ高度計 | ・レーザ高度計 | |
・MINERVA(投下に失敗) | ・MINERVA-II ・小型着陸機「MASCOT」(ドイツ製) |
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・衝突装置、分離カメラ | ||
・サンプリング装置 | ・サンプリング装置 | |
・再突入カプセル | ・再突入カプセル | |
小惑星滞在期間 | 約3ヵ月(小惑星を探査していた期間) | 約18ヵ月/1年半 |
サンプル採取 | 2回(表面のみ) | 3回(表面および表層下を予定)
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地球帰還 | 2010年6月13日 | 2020年末(予定) |
探査天体/名称 |
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スペクトル型 | S型(石質的な小惑星⇒Silicaceous) | C型(炭素質的な小惑星⇒Carbonaceous) |
サイズ | 535m×294m×209m | およそ900m(ほぼ球形) |
軌道 | 地球接近小惑星(アポロ型) | |
構造 | ラブルパイル * イトカワは“がれき”の集まり |
不明→はやぶさ2が探査することでわかってくること |
平均密度 | 1.90±0.13g/cm3 | 不明→はやぶさ2が探査することでわかってくること |
アルベド(反射能) | 0.25±0.03 | 0.07 |
自転周期 | 12 時間 7 分 57 秒(逆行回転) | およそ7時間37分38秒 |
公転周期 | 1.52年 | 1.30年 |
2015年10月更新