プロジェクトメンバーが語る「ここがすごいよ」イプシロン2号機 #5 小野哲也
2016年12月9日(金)
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小野 哲也(おの てつや)
イプシロンロケットプロジェクトチーム(打上管制隊ではロケット・ランチャ係チーフ、発射指揮者補佐)
イプシロンロケットプロジェクトチームでプロジェクト・システムと運用・設備を主に担当しています。2号機の打上管制隊では、機体の組立や発射装置を運用するロケット・ランチャ係のとりまとめと、打ち上げ当日は発射管制室で発射指揮者のアシスタントを担当します。
今回は、私が担当した『2号機の強化ポイント』のひとつである1段モータ整備台車をご紹介します。
1段モータ整備台車
1段モータ(1段目の機体)は、種子島宇宙センターから内之浦宇宙空間観測所に搬入した後、まず組立室にて横置き状態で組立(起爆管や導爆線、SMSJ(固体モータサイドジェット)といった火薬類の組付けや電線の敷設等)と点検(ノズルの駆動チェック等)を実施します。その後、組立室から整備塔に向け移動、起立させ、整備塔クレーンで塔内に吊込み、ランチャに据付けます。試験機では、この起立作業で整備塔クレーンの他に大型のレンタル重機(移動式クレーン)を使用したのに対し、2号機以降は、新たに整備した1段モータ整備台車の機能を使い、外部クレーンなしで起立作業を実施できるようにしました。これにより移動式クレーン自体の組立や撤収といった付帯作業を解消し、射場作業のコンパクト化を図りました。この起立方式変更にあたっては、関係者間での設計検討、ダミーロケット(形状・寸法・質量・重心を本物に合わせた鉄とコンクリートの円柱)を用いた検証・訓練をおこない、そこで抽出した改善事項に対して必要な処置を施したのち2号機の実機作業に臨みました。事前訓練の甲斐あってか、2号機の作業ではスムーズに起立作業を実施することができました。
2号機起立途中 |
ダミーロケットでの訓練 |
いま、射場では機体の組立・点検は計画どおり終了し、これから打上げに向けた各種リハーサルに入っていくところです。射場作業は朝早くから夜遅くまで続くこともあります。また、現場が終わっても打ち上げに向けた各種文書の作成や点検等で体力勝負の日もありますが、ERGとイプシロンロケット2号機の打ち上げ成功に向け、JAXA、メーカ、その他関係者が一丸となって、それぞれの役割を果たしていっています。
イプシロンロケットへの応援ありがとうございます。引続き見守っていただけると大変うれしく思います。
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