“L+337” 地球スイングバイまで残り1ヵ月。一昨日、軌道精度をより高める微修正運用を実施。
2015年11月5日(木)
- プロジェクト
- 人工衛星・探査機
L+337です。「はやぶさ2」の地球スイングバイまでいよいよ残り1ヵ月となりました。
探査機の運用は順調、プロジェクトチームの士気も高まってきています。
一昨日(11月3日)には、スイングバイをより精度の高く行うための軌道微修正運用「軌道補正マヌーバTCM1(*1)」として、化学推進スラスタ(RCS)の噴射を実施しました。
この軌道微修正の運用は、12月初めにかけて残り2回を予定しています。
「はやぶさ2」プロジェクトサイト 運用状況速報
2015年11月3日の13時から15時頃(日本標準時)にかけて,軌道補正マヌーバTCM1を実行しました。
RCSスラスタを予定通り約4秒間噴射し,TCM1は正常に終了しました.探査機の状態は良好です。
今回は12基あるスラスタのうち4基を使いました.精度よく噴射するために,噴射は4回に分けて行いました.
(*1)TCM=Trajectory Correction Maneuver
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「地球に一番近づくってことは、地球スイングバイの時、『はやぶさ2』は見えますか?」とよく質問をいただきます。残念ではありますが、非常に暗い光の点(10等星より暗くなると予想しています)のため、肉眼で「はやぶさ2」を見ることは難しそうです。
ですが、日本公開天文台協会さんや日本惑星協会さんにもご支援いただき、各地の天文台さんから一般の皆さんまで、広く観測キャンペーンを展開してくださっています。お近くで開催されるイベントに参加いただくのも一案ですね。プロジェクトサイトでも、スイングバイ時の軌道情報を公開していますので、参考にしていただければと思います。
その他にも多くの皆さまが地球スイングバイに向けて、趣向を凝らして盛り上げてくださっていると伺っています。非常に心強い限りです。
皆さんの周りで「こんなことがあるよ」という情報がありましたら、コメント欄に書き込むなどしてお知らせいただけないでしょうか。宇宙航空好きの方はもちろんのこと、宇宙航空の世界に足を踏み込めていない方にもこの機会にぜひ紹介してたいだき、いろいろな新しい輪を広げていきましょう!
■ 国内の公開天文台や科学館など(*2)での観測
(*2): | 日本公開天文台協会、PAONET、天文教育普及研究会、日本プラネタリウム協議会(JPA)のメンバー(関係者を含む)の方々を対象としています。 |
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■ 一般の方向け
<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年11月5日14時0分(日本時間) 現在
太陽からの距離 | : | 1億4,134万km |
地球からの距離 | : | 1,146万km |
赤経 | : | -109.55度 |
赤緯 | : | 25.30度 |
航行速度(対太陽) | : | 31.48km/s |
地球から見た「はやぶさ2」の方向
「はやぶさ2」と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)
はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―
打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、はやぶさ2広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。