“L+100” 季節の移り変わり

2015年3月13日(金)

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3月13日はL+100ですね。打ち上げから100日を迎えることができました。
イオンエンジン2台連続運転も10日を超え、安定して噴いています。

3月も半ばを過ぎ、新年度に向けて、皆さんの周りでもいろいろな変化の兆しが出始めているかもしれません。

レポートに掲載している2枚の図を過去のレポートと見比べたとき、「はやぶさ2」と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係がかなり変わっているのにお気づきですか?
特に「はやぶさ2」と「地球」の位置を見た時、「はやぶさ2」が地上から見え始める位置が、夜から夕方(およそ16時頃)に変わってきているのが分かります。

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相模原キャンパス・臼田宇宙空間観測所の運用の設定時間も、打ち上げ後しばらくは“夜~深夜”からだったところ、最近では“夕方(まだ日のある時間)~夜(日付が変わる少し前)”になりました。
もう少し季節が進むと、「はやぶさ2」の軌道(緑線)が地球の太陽公転軌道(青線)の内側に入る時期があります。そこでの相模原キャンパスの運用時間は、昼間となるわけです。

「はやぶさ2」、地球、小惑星1999 JU3は、太陽を中心にそれぞれが動いている。
加えて天体の重力などいろいろな要因を考えながら、小惑星までの軌道を設計する。
軌道決定・計画の担当者は、物理運動法則を踏まえつつ、経験と勘をフル動員し、日々、想定(想像)と計算を繰り返します。

運用に携わる人たちは、カウントアップ日数だけでなく、運用時間の移り変わりからも打ち上げからの時間経過を感じているのです。

前回レポートでお伝えした「加速したのに遅くなることもある」不思議な現象については、「皆さんにいかにイメージしていただけるか?」を想定しながら、軌道決定・計画の担当者と案を練っています。ご期待ください(あ、自らハードルを上げてしまった・・・)。

<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年3月13日14時0分(日本時間) 現在

太陽からの距離 1億6,284万km
地球からの距離 3,955万km
赤 経 92.20度
赤 緯 -5.95度
航行速度 27.28km/s

地球から見た「はやぶさ2」の方向

はやぶさ2と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)

はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―

打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、月・惑星探査プログラムグループ広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。