“L+79” 発想の転換

2015年2月20日(金)

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  • 人工衛星・探査機
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2月20日、L+のカウントは79日。
「はやぶさ2」の航行も順調。
姿勢軌道制御系担当者、運用担当者は、目を皿のようにして探査機から届く軌道データ等との格闘を続けています。

「太陽光圧や姿勢軌道系機器による連係動作」と、ここ数回のレポートの中で記載してきました。
姿勢軌道制御の応用編としていろいろなパターンの動作確認をしていますが、「使える機器を使う」という視点に加え、「使わなくても良い機器は温存しよう」という視点も加わっています。

「はやぶさ」初号機の時、姿勢制御のキモとなるリアクションホイールが3台中2台が機能停止してしまったことは、皆さんご存知のとおりです。
その経験を踏まえ、「はやぶさ2」ではリアクションホイールを4台搭載し、信頼性を高めています。
そして、プロジェクトメンバーはその経験で得た「リアクションホイール1台+太陽光圧の姿勢制御方法」を更なる糧として、
「リアクションホイールは、小惑星近傍での細かな姿勢制御が必要となる時までできるだけ温存する」
という考え方を標準の運用方法の一つに採用したのです。つまり、小惑星に到着するまでの航行中は、リアクションホイール1台と太陽光圧、その他の姿勢制御系機器を組み合わせた運用を中心とし、他のリアクションホイールはできる限り消耗を抑えるという考え方です。

小惑星までの道のりはまだまだ長いです。
この先も、常に「別の視点から物事を見る」、「発想の転換」の姿勢が大事ですね。


<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年2月20日14時0分(日本時間) 現在

太陽からの距離 1億6,166万km
地球からの距離 3,170万km
赤 経 86.74度
赤 緯 -11.71度
航行速度 27.5km/s

地球から見た「はやぶさ2」の方向

はやぶさ2と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)

はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―

打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、月・惑星探査プログラムグループ広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。