警告・警報パネル(C&Wパネル)の表示はどんな意味があるのですか?
国際宇宙ステーションについて
トラブルを検知した場合、警告・警報パネル(C&Wパネル)の該当するランプが点灯し、ATU(音声端末)からクラス1,2,3に応じて異なるアラームが鳴るため、どのようなトラブルが発生したかを音と光の通知で即座に確認できます。
「きぼう」の船内実験室内のC&Wパネル
その後、滞在クルーはラップトップコンピュータで詳しく状況を調べていきます。
米国モジュールや日本モジュールにあるC&Wパネルは左から次のようになっています。
表示 | Fire | ΔP | ATM | WARNING | CAUTION |
---|---|---|---|---|---|
意味 | 火災 | 減圧 | 空気汚染 | 下記参照 | 下記参照 |
クラス | 1 | 2 | 3 |
「クラス1」と呼ばれる警報は、緊急度が高い状況です。このアラームが鳴ったらクルー全員で対応します。
「クラス2」の警報は、ISSコマンダーの指示により命令されたクルーが対応します。クラス2の警報とは次のような例です。
- 圧力異常(加圧)
- 米国製航法用コンピュータの損失
- 姿勢制御の異常
「クラス3」の警報は、地上の管制官が対応し軌道上のクルーは何かが起きているということを知るだけで特に対応はしません。クラス3の警報とは次のような例です。
- バックアップの航法用コンピュータの損失
- Sバンド通信装置の重大な障害
- 姿勢制御装置(Control Moment Gyroscopes: CMG)4つのうち1つの障害
右下の「TEST」は、このパネルの動作確認ボタンで、これを押すと全てのランプが点灯します。警報音は鳴りません。
つまり電球が切れていないことを確認するものです。
なお、このパネルの意義はふたつあり、異常を発見したクルーがパネルのボタンを押すことで皆に知らせる通報用としての機能と、システムが自動的に異常を感知したときにクルーに知らせる警報としての機能です。
システムが警報を鳴らしているときに該当するボタンを押すと音を止めることが出来ます。
ロシア以外のモジュール内にあるC&Wパネル
ロシアモジュール内にあるC&Wパネル