ロケットのレーザージャイロは、どのような働きをするのですか?
ロケットについて
ジャイロというのは、回転するコマがその姿勢を変えにくく、傾けるときには力が必要になるという原理を利用したもので、飛行中のロケットの姿勢を検知するための装置です。
通常この回転体(コマ)を縦、横、高さ方向の三軸にそれぞれ1個、計3個をロケットに取り付け、ロケットの姿勢が変わったときに、この回転体(コマ)にかかった力を電気的に測定して、ロケットの姿勢の変化を検知します。
これら機械式のジャイロに対して、レーザージャイロとは、回転体(コマ)の代わりにレーザー光を使用したジャイロです。
三角形の各辺に沿ってレーザー光線を走らせますが、その時同じレーザー光線を2つに分け、
左回りと右回りに走らせます。
ロケットの機体が右に回転すると、右回りに走っているレーザー光線の進む距離が増え、逆に左回りに走っているレーザー光線の進む距離が減ります。
戻ってきた2つの光を比べると、ロケットがどちら周りにどの程度回転したかを計算することができます。
機械式ジャイロと同じように、レーザージャイロも三軸方向にロケットに取り付けていますので、ロケットの全方向での姿勢の変化を検知することができます。
このレーザージャイロは、機械式のジャイロに比べて、システム全体を小型・軽量にすることができ、また、機械的な動作を行わないため故障率が減ることにより信頼性が向上し、かつ、ロケットの姿勢の検知の精度が向上するという利点があります。