宇宙ではどうやってお風呂やトイレに入るのですか?
宇宙飛行士について
スペースシャトルのトイレについては、以下のページで紹介していますので、そちらをご覧ください。
スペースシャトルのトイレISSのトイレ
ISSにはロシアと米国のトイレが1台ずつあります。ロシアのトイレはズヴェズダの後方に設置されています。米国のトイレは、2008年11月のSTS-126(ULF-2)ミッションで運ばれた新しいもので、現在は「トランクウィリティー」(第3結合部)に設置されています。
米国のトイレも、トイレの本体はロシア製で、ロシアのトイレと同様にファンを回して空気の流れで尿と便を吸い込むような仕組みです。
しかし、米国のトイレは、回収した尿が尿処理装置に送られるよう改良されており、またラックに組み込まれているため、移動も可能となっています。
大便を行う際には、便器の内側に小さな穴が多数開いたバックを装着し、そのバックの中に便が回収されると、バックのゴムが自動的に閉まります。その口を塞いだビニールパックをアルミ製の固形排泄物タンクに押し込んで、新しいバックを取り付けます。
この固形排泄物タンクは3人のクルーでは1週間に1回程度で交換し、プログレス補給船に運び込みます。
尿は、電気掃除機のホースの様なもので吸い取り、22リットルの汚水タンクに溜められます。汚水タンクがいっぱいになると、ISSに結合しているプログレス補給船に運び込むか、水が不足する場合は、米国の尿処理装置と水処理装置に送って飲料水にリサイクルすることもできます。
プログレス補給船は、ISSから分離されるとこれらの廃棄物を積んだまま、大気圏に突入して焼却されます。
手洗いやうがい
無重力状態では水が流れないので、地上のように蛇口の下に手を出して手を洗うことはできません。そのため、宇宙用の洗面台はありません。手や顔の汚れを取りたいときには、濡れタオルでふくしかないわけです。歯をみがくときも同様です。歯みがき粉で歯をみがくのは地上と同じですが、うがいをしてその水を吐き出すわけにはいきませんから、そのまま飲み込んでしまうか、口から出してタオルに吸収させます。
入浴
シャンプーは、泡が周囲に飛び散らないように、泡が出にくいドライシャンプーを使います。そして、洗い終わったあとは、乾いたタオルでふき取っておしまいです。また、顔やからだの汚れは、濡れタオルでふきます。
1974年のスカイラブ計画では、船内でシャワーを浴びることができました。直径90cmの円筒型のシャワールームにゴーグルをかけて入り、ホースから直接からだに水を吹きかけ、余分な水をファンで吸引するというものです。終わったあと約1時間かけて中の水滴を全部ふき取る手間を考えると、快適とは言えませんでした。
また、ロシアの宇宙ステーション「ミール」にも、天井からお湯が出るタイプのシャワーがついていましたが、やはり水滴のふき取りに時間がかかりすぎたため、徐々に使われなくなり、いつしか物置きになっていたそうです。
ISSでは、このような経験を踏まえて、現実的に対応した結果、シャワーの設置は行われませんでした。