だいち2号特設サイト
プロジェクトメンバー紹介
プロジェクトメンバー コラム
西 弘樹 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 主任開発員
今年3月に我が家の第1子が誕生しました。女子です。予定日より2日ほど早めでした。無事生まれてきた我が子の元気な第一声を聞いた瞬間、自然と涙が溢れてくるほど感動しました。その我が娘と同じ年に「だいち2号」も無事予定通り打ち上がりました。打ち上げ後「だいち2号」から初めてのテレメトリ(通信)が確認できた時や合成開口レーダのアンテナが無事に展開した時など、娘の誕生と同様、感動して目頭が熱くなりました。自分にとって特別な年にこのプロジェクトに関われたことをとても感謝しています。 プロジェクトチームでは地上システムである利用・情報システムの開発を主に担当しています。この利用・情報システムというのは「だいち2号」からの観測データを保存・管理するとともに、Web経由で「だいち2号」の観測データのカタログ検索や、観測要求・プロダクト注文の受け付け、さらにはプロダクトの作成・提供を行うものです。地上システムの中で一番ユーザに近いシステムとなります。現在、このシステムをより使いやすいものにするよう鋭意努力しているところです。誰でも「だいち2号」の画像検索が行えるようになりますので、Web公開される日を楽しみに待っていてください! (2014年6月30日更新) |
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有川 善久 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 主任開発員
ALOS-2プロジェクトにおいて、主に衛星システムの電気系・制御系を担当しています。 例えば、皆さんのご自宅では電源コンセントやインターネット回線等は、普段の生活に無くてはならないものであり、故障すると大変困ってしまいますよね。 一見地味に見える「バス機器」ですが、PALSAR-2の性能を最大限引き出すために、例えば、大容量の観測データを高速でダウンリンクするための通信機器や、瞬間的に大電力の電波を出しても安定した電源を供給する機能、さらには、観測条件を揃えるためにいつも同じ軌道に自律的に留まる機能など、新たに開発した機器や従来の衛星には無い最先端の技術をだいち2号では採用しています。 これらの技術開発においては、様々な苦労を伴いました。機器の製造現場やソフトウェアの試験等、なかなか良い結果が得られず何度も試験したり、改修方法について夜遅くまで議論したり。しかし、いつも思うのは「技術は正直なもの」という事。とことん原因を突き詰めて、妥協せずに対策を施せば、これまでの苦労が嘘のように正常に動作し、安定した性能を発揮するようになりました。これらの機器が宇宙で大活躍してくれると期待しています。 だいち2号は、2014年5月24日にH-IIAロケットで無事打ち上げられ、現在まで軌道上での機能確認を進めてきました。いよいよ、ミッション機器であるPALSAR-2初画像の公開です。だいち2号の活躍が明るいニュースとなり、人々に未来への大きな希望と期待を与えられるよう願っています。また今後、「大地の精密診断」を通して、未来を担う子供達が安心して暮らしていける社会の実現に貢献していきます。これからも、だいち2号の応援をよろしくお願いいたします。 (2014年6月30日更新) |
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猿渡 英樹 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 主任開発員
「3、2、1、リフトオフ!」 2014年5月24日 12時5分14秒、快晴の青空に吸い込まれるように、だいち2号は打ち上げられました。 私はだいち2号の開発全体、特に熱・構造設計を担当しています。打ち上げのとき、ロケットの先端部分(フェアリングといいます)に収納された衛星がロケットの振動や空気を切り裂く際の音響に耐えられるのかが心配でした。 振動・音響に耐えて無事に軌道に投入されると、衛星に取り付けられた各種の展開構造(太陽電池パドル、PALSAR-2アンテナ、など)が予定通り展開するのかも気になっていました。そのため、PALSAR-2アンテナが無事展開したときには、目頭が熱くなってしまいました。 ようやく、だいち2号が活躍できる準備が整いました。 ※PALSAR-2アンテナ展開のようすはこちら (2014年6月24日更新) |
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山根 健 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 主任開発員
人工衛星に搭載される機器、その機器に使われている数々の部品は、衛星が軌道上に打ち上がると異常や故障が発生しても修理、交換できないため、衛星が地上にある今のうちに隅々までチェックして問題がないことを確認する必要があります。 先日、最後の種子島出張を終え筑波に帰ってきました。品質管理を実施しているため、種子島でだいち2号が試験・検査を実施している期間は頻繁に種子島に行き来していましたが、打ち上げが近くなるにつれて打ち上げを応援して頂いている町の雰囲気を肌で感じ必ず成功させたいという思いが強くなりました。このまま打ち上げまで見届けたいという気持ちもありましたが、そこは気持ちを押さえ、打ち上げを待つ雄姿を前に成功祈願して帰ってきました。(だいち2号はロケットのフェアリングの中なのでフェアリング越しですが) いよいよ打ち上げまで残り僅かとなりましたが、我々ALOS-2プロジェクトチームメンバーを始め、JAXA、衛星開発メーカ、H-IIAロケット関連メーカなど多くの関係者は、打ち上げ成功そしてミッション成功に向けて最後まで気を抜かず着実に作業を進めています。 (2014年5月23日更新) |
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金原 健一 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 開発員
ALOS-2プロジェクトでは、「だいち2号」を地上から監視・制御するために活躍する衛星管制ミッション運用システムの開発を担当しています。人工衛星は宇宙に行ってしまうと、直接人の手で操作、修理することができません。本システムは、国内、海外の地上局アンテナを経由して「だいち2号」の状態データを受信し、必要に応じて地上から衛星をコントロールするためのシステムです。システム開発には多くの時間を費やし必要な調整、試験を行ってきました。衛星管制ミッション運用システムは、だいち2号打ち上げ後に活躍するシステムとなります。地上とだいち2号間の架け橋として活躍してくれることを期待しています。 「だいち2号」は2014年5月24日(土)に打ち上げられます。しかも今回は昼間の打ち上げとなりますので皆さんもぜひご覧になってください。 打ち上げまで残すところわずかとなり、「やっとここまでこれたか」という感じですが「だいち2号」の運用は長期間にわたって行われます。ミッション達成に向け、全力を注ぎたいと思いますので皆さんの応援よろしくお願いします。 余談となりますが、先日(5月9日)同プロジェクトの勘角とニコニコ生放送に出演し、ALOS-2のミッションについて熱く語らせていただきました。皆さんご覧いただけましたか? (2014年5月21日更新) |
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鳩岡 恭志 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム サブマネージャ
「だいち2号」プロジェクトでの私の仕事はプロジェクトメンバーの勤務管理や開発の進捗管理等、プロジェクトの各種管理業務でプロジェクトマネージャのサポートをすることと、衛星システムの開発です。 「だいち2号」では「もっと詳しく観たい」、「もっと広範囲を見たい」という要望に応えるために、高分解能かつ広い観測幅のセンサであるPALSAR-2を搭載していますが、「詳しく」、「広範囲」ということは、衛星内に入ってくるデータ量が膨大になることを意味します。 観測したのは良いけど、「データが大量過ぎて搭載機器が取り込めない」とか、「データを地上に送るには時間が非常にかかってしまう」とうい状態では、緊急を要する災害状況把握などに役立ちません。「だいち2号」ではこれに対して衛星のデータ伝送系システムを高速化しています。地上に高速データ伝送を行う機器は、宇宙用としては新しい通信方式を採用し、世界最高レベルの性能を誇ります。このように観測センサ以外にもキラリと光る技術で必要な衛星システムの性能を確保しています。 「だいち2号」は打ち上げに向けた整備作業中で、打ち上げを間近に控えています。打ち上げを成功させ、ミッションを達成するよう、プロジェクト一同、今後も気を引き締めて打ち上げ・運用に臨みます。 ※プロジェクトチーム主任の野田さんからひとこと: (2014年5月19日更新) |
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大串 文美 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 開発員
プロジェクトチームでは、地上系システムを担当しています。簡単に説明すると「だいち2号」のユーザ要望に基づいて観測要求を受け付け、計画を立て、データを配布するシステム(衛星管制・ミッション運用システム、利用・情報システム)の設計・調整に関わってきました。 (2014年5月8日更新) |
「だいち2号」人気にあやかり、個人的には縁がないファッション雑誌(エル・ジャポン)の特集記事に野田さんとともに掲載されてしまいました。絶賛発売中です。 プロフィール |
丹羽 智哉 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 開発員
ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチームの本拠地は筑波宇宙センターですが、現在私は鹿児島県にある種子島宇宙センターに出張して来ています。「だいち2号」の打ち上げに向けた衛星の最終準備作業を行うためです。写真は「だいち2号」がいる試験棟の控室にて撮ったものです。(後ろに見えるジャングルのような森も種子島宇宙センターの敷地内!) 出張中の種子島の話題を少々。最近宇宙センターのある南種子町近辺は打ち上げ関係者も増え始めて賑わってきています。実は先日、ロケットマラソンという地元のイベントに参加しました。「だいち2号」をPRするため急きょ参加を決め、コンビニで買った白Tシャツに「5月24日だいち2号打上げ!」とマジックで書き、それを着てハーフマラソンを走りました。普段から走ったりしているわけでは無かったので、へとへとになりながら走っていると、地元たくさんの方々から「だいち2号がんばれ!」と声をかけていただいたり、フルーツやのど飴(!?)を渡してくれたりと、たくさん応援いただきなんとか無事完走することができました。(順位は散々でしたが…) 現在「だいち2号」は種子島宇宙センターにて衛星推進薬(燃料)をタンクに充填する作業を行っています。この後フェアリングに収納され、ロケットとの結合を行い、いよいよ打ち上げとなります。とはいえ、「だいち2号」にとってここがラストスパートではありません。彼にとっては軌道上に行ってからがスタートだからです。「だいち2号」の設計寿命は5年。長い長いマラソンです。ぜひぜひ今後の活躍を長く見守っていいただき、そしてたまに空を見上げて「だいち2号がんばれ!」と応援してあげてください! (2014年4月18日更新) |
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勘角 幸弘 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 開発員
ミッション機器であるLバンド合成開口レーダ「PALASR-2」の開発を担当しています。PALSAR-2は、東日本大震災や各国の災害でも貢献した「だいち」搭載の合成開口レーダ「PALSAR」の後継機として、その機能・性能を向上させた電波センサです。 初めての衛星開発の中で非常に重要かつ、最先端のセンサ開発を担当することとなり、当初は勉強と緊張、そして猛省の日々でしたが、センサの開発が進むにつれて親心も生まれ、宇宙で最大限に能力を発揮し国民の皆様のお役に立ってほしい、と期待する気持ちの反面、宇宙に行ってしまうのか、という寂しさもあり、どうも子離れできていない気がします。 地震の多い日本において、PALSAR-2が観測するマイクロ波(1.2GHz帯)は非常に有効で、地殻の変動を昼夜・天気・植生に影響されることなく観測が可能です。「だいち」搭載のPALSAR以上に、これから得られるPALSAR-2の観測データにより国民の皆様に貢献できるよう、「大地の精密検査」を行っていきたいと思いますので、是非、応援のほど、よろしくお願いします。 関連リンク(ファン!ファン!JAXA!編集部 追記): (2014年4月11日更新) |
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野田 明子 第一衛星利用ミッション本部/ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチーム 主任
年度末、年度初めは例年のように気忙しく過ごし、気がつけば、筑波宇宙センターでは桜散る春爛漫のころ。まるで、昔よくいったロンドンのキューガーデンのように広々とした野原と花で溢れています。二人の子供たちの入学式(小学校と中学校)も目前です。 ALOS-2(だいち2号)プロジェクトチームで国際調整、利用推進、広報を担当している野田です。「だいち2号」は前号機「だいち」の実績があるので、打ち上前から海外宇宙機関からの注目度は高く、イタリア、ドイツ、カナダと災害時にお互いの衛星データを交換する協定を結んでいます。打ち上げ後は国際協力パートナーはもっと増えるでしょう。「だいち2号」が観測したデータの本格的な配布は打ち上げてから半年後の予定ですが、それまでに、配布体制をつくるのも大事な仕事です。 広報に関しては、3月14日に「だいち2号」の打ち上げ日が公表されてから、特設ウェブサイトの開設、3月末の種子島での機体公開、ポスター、チラシ、パンフの準備、4月19日の筑波宇宙センター特別公開準備が怒涛のようにおしよせる中、満足ゆく広報をするのは大変だと感じています。しかし、「だいち2号」の衛星、観測されるデータの役割などを多くの方々にわかってもらえるように頑張ります。 (2014年4月9日更新) |
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鈴木 新一「だいち2号」プロジェクトマネージャ
国家プロジェクト」に携わる誇りと使命感 日本は国土の2/3が森林に覆われた地震・火山国です。1992~1998年の「ふよう1号」(JERS-1)、2006~2011年の「だいち」(ALOS)に搭載されたLバンド合成開口レーダ(SAR)は、電波(マイクロ波)を用いたセンサであり、夜間でも悪天候でも地表の状況を観測できる観測センサです。また、Lバンド(波長約24cm)の電波は森林などの植生を(ある程度)透過して地表からの情報を得ることができるという特徴をもっており、地震や火山による地殻変動が起きた際に地表の変化を他バンドのSARよりも正確にとらえることができます。 「だいち2号」(ALOS-2)は世界最先端のLバンドSAR(PALSAR-2)を搭載し、「大地の精密診断」を行います。これまでよりも観測性能をさらに向上させ、広い観測幅を維持しながら地表をより詳細に、より迅速に観測することができるようになり、地殻変動のみならず、風水害による冠水や土砂崩れの状況などを正確にかつタイムリーとらえるなど暮らしの安全に役立つ観測を行います。前号機「だいち」は海外からの数多くの災害観測要請に対応した結果、東日本大震災の際には「だいち」の観測に加えて、海外の衛星からも多数の画像提供を受け、我が国を襲った未曽有の大災害の状況把握に活用されました。「だいち2号」においてもこのような国際的な協力の枠組みを継続していきます。 災害観測以外にも、雲に覆われていることが多く光学観測が難しい熱帯雨林などの森林の状況や極域の雪氷の状況などを定期的に監視します。過去11年以上にわたる観測データと組み合わせて時間的な変化を継続観測することにより、温室効果ガスの吸収源である森林の変化や温暖化による雪氷の変化などをとらえ、地球規模の環境問題の解決に貢献します。 長年にわたって継承され我が国の得意な技術となっているLバンドSARを用いて、国内外の関係機関と協力しながら安全・安心に貢献する「だいち2号」は「国家プロジェクト」です。このようなプロジェクトに参加することを技術者として誇りに感じると同時に責任の重さを感じながら開発をすすめてきました。ユーザの皆様、最終的な受益者である国民の皆様の期待に応えるべく、衛星を確実に打ち上げ、運用し、ミッションを達成します。 |
「だいち2号」(ALOS-2) |
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