基幹ロケット高度化プロジェクト メンバーコラム #6 大橋 一慶

2015年11月20日(金)

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大橋 一慶(おおはし・かずよし)
研究開発部門第4研究ユニット 研究員(基幹ロケット高度化プロジェクト併任)

H-IIAロケット29号機に搭載される航法センサの開発を担当しています。 航法センサは、飛行安全管制に必要な位置情報を地上のレーダー局に頼ることなく、ロケットから送信できるようにするために開発したもので、今回その実証のために打ち上げられます。

29号機では、2段機体の長時間飛行慣性技術(ロングコースト)後の衛星分離が注目されると思いますが、この航法センサの実証も成功すれば、将来的に打ち上げインフラ設備のスリム化を図ることができるため、重要なミッションの一つです。
航法センサの開発は、2012年から始まり4年の歳月を経て、29号機に搭載することができました。

開発においては、飛行安全要求にマッチするものを作ればロケットに載せて打ち上げられるというものではなく、機器として、放射線や熱などの宇宙環境に耐えられるか、高速で移動するロケットの振動や衝撃に耐えられるか、電磁干渉により誤作動を起こしたり逆に周辺機器に影響をおよぼさないかなど様々な試験を実施しなければなりません。
ロケットに搭載できる状態にするまでには、問題も多々発生し、開発製造を担当したメーカーをはじめ、苦労の連続でした。最終的な性能確認試験の完了を目前にして機器に異常が見つかり、最後の最後まで予断を許さない状況が続きました。
また、インタフェースする相手も多岐に渡り、ロケット機体はもとより、飛行安全管制、受信局、射場点検設備、ロケット情報設備、それぞれとインタフェースを整合させる必要があり、大変でした。不整合をなくすためには、互いに相手の仕様をよく知り、相手が何を欲しているかを共に考えなければなりませんが、インタフェースが不明確、情報不十分等で不整合が発生し、インタフェースを整合させることの難しさを痛感しました。
しかしながら、開発製造メーカーをはじめとして、ロケット機体システムメーカー、JAXAの飛行安全担当部署、地上設備担当部署、高度化プロジェクトと多くの方々にご協力頂き、ここまでたどり着くことができました。この開発経験を通して、私自身も成長することができたと思います。みなさまに感謝いたします。

打ち上げまであと数日、カウントダウンに入りましたが、より一層気を引き締めて打ち上げに臨みたいと思います。 みなさんも29号機が成功するよう応援よろしくお願いします!!

プロフィール
子供のころ、お土産でNASDA(宇宙開発事業団、現JAXA)のステッカーをもらい、日本で宇宙開発をするところがあるんだ、すごいなと思ったことを覚えています。その後、月並みですが、スペースシャトルや国際宇宙ステーションへの日本人の搭乗/活躍がニュースとなり、宇宙に関する仕事に対して憧れを持つようになりました。大学は電気情報系の学科に進んだのですが、就職の際、宇宙に関する仕事に就きたいという気持ちがふたたび強くなり、現在に至りました。