基幹ロケット高度化プロジェクト メンバーコラム #4 藪崎 大輔
2015年11月18日(水)
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藪崎 大輔(やぶさき・だいすけ)
H3プロジェクトチーム/基幹ロケット高度化プロジェクトチーム(併任) 開発員
観測ロケットS-310-43号機 PI班 種子島宇宙センターでの、H-IIAロケット |
私が基幹ロケット高度化プロジェクトチームに配属された時には、すでに詳細設計や開発試験が終わった段階で、今回打ち上げる高度化開発成果を適用したH-IIAロケット29号機 第2段機体の製造や打ち上げ計画の検討を主に行ってきました。ロケット全体システムから機体の各コンポーネントや飛行計画など多くのことを学び、種子島で経験した打ち上げ運用や設備維持とはまた異なる、大変貴重な経験を積むことができました。 H-IIAロケットやH3ロケットでは極低温推進薬を使用しますが、慣性飛行中の推進薬の挙動は地上での重力環境下とは大きく異なります。しかし地上ではこの微小重力環境を長時間模擬する実験は困難であるため、観測ロケットを用いた実験を行いました。この実験により慣性飛行中の液化窒素の流れの映像や流路各部の温度・圧力・気液混合比を取得することができ、ここで得られた経験や知見が極低温液体推進薬を使用する基幹ロケット高度化やH3の開発にフィードバックすることができています。 29号機の機体はLE-5B-2エンジン、推進系バルブ、アビオニクス機器などの各コンポーネントの製造、三菱重工業の飛島工場での第2段機体システムの組立・製造などを経て、現在、種子島宇宙センターの組立棟にて打ち上げに向けた準備作業が進められています。 |
プロフィール |
11月のある日、種子島宇宙センターにて |