「こうのとり」5号機の把持・ISSへの結合予定日が決定 油井宇宙飛行士が把持担当

2015年7月29日(水)

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ISSとランデブーする「こうのとり」(過去の実績画像)

8月16日(日)に種子島宇宙センターから打ち上げ予定の「こうのとり」5号機。
国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームによる把持(※)を8月20日(木)、ISSへの結合を翌21日(金)とすることが国際調整により決定されました。

 ※把持…はじ。ロボットアームでがちっと「こうのとり」を掴みます。“キャプチャ”とも。

地上にてシミュレータでロボットアーム操作訓練を行った油井宇宙飛行士(2015年3月に)

リード・キャプコムを務める若田宇宙飛行士(若田宇宙飛行士ツイッター @Astro_Wakata より)

「こうのとり」5号機の訓練を行う、筑波宇宙センターHTV運用管制室の様子(2015年7月)

「こうのとり」5号機は、油井亀美也宇宙飛行士が日本人宇宙飛行士として初めてISSのロボットアームを操作して把持を行う予定です。

地上での運用業務は、筑波宇宙センターにあるHTV運用管制室とNASAにある宇宙ステーションの管制センターとが協力・連携して実施します。

5号機ではなんと、NASAでは日本人の若田宇宙飛行士がISSとの通信担当のリーダー(リード・キャプコム)を務めます。



筑波宇宙センターでは、「こうのとり」5号機運用の準備や訓練が進んでいます。
去る7月9日~10日には、JAXAとNASA合同の運用管制シミュレーション訓練が行われ、筑波宇宙センターHTV運用管制室の様子が報道関係者に一部公開されました。

訓練では、実際のタイムラインに沿って「こうのとり」5号機がISSに近づきロボットアームで把持され、ISSに結合後起動するまでを、本番さながらの環境で行いました。NASA側では若田宇宙飛行士も参加。
管制官に知らされていない不具合を意図的に発生させ、対処能力を高めるといった訓練などもありました。

こういった「こうのとり」5号機のための訓練は、打ち上げ約1年前から、国内での訓練とNASAとの合同訓練を繰り返し行っていますが、いよいよ大詰めです。


現在ISSでは、油井宇宙飛行士はじめ長期滞在クルーが物品の移動を行い、「こうのとり」5号機に積み込まれた物資の受け入れ準備が進められています。
打ち上げはもう目前。楽しみにお待ちください!

なお、「こうのとり」5号機のISSからの分離は9月27日(日)、大気圏への再突入は9月28日(月)に予定されております。

※日時は日本時間です。具体的な時間については改めてご案内します。

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ホシモのここが気になる
「こうのとり」がISSへ着くまで、何日もかかるのは、なぜだろう?

「こうのとり」はH-IIBロケットで打ち上げられた後、高度250km程度の軌道に投入されます。でも、そこからISSの軌道高度400kmまで一気に飛んでいくほどのエンジンも燃料も積めないので、通常5日ほどかけて高度をすこしずつ上げながら、ISSに近づいていくんです。
この期間をランデブ運用といいます。

ISSと同じ高度に達し、ISSの後方に着いてからは、「こうのとり」はISSと直接通信を行いながら慎重に近づいていきます。最終的にISSの下方10mまで近づき、速度差を0にしてから、ISSのロボットアームに掴んでもらいます。

ちなみに「こうのとり」がISSに対して速度差を0にするというのは、時速28,800kmで飛んでいるISSにぴったり同じ速さで並走しISSに横付けするということ。とても難しい技術なので、慎重な制御を行っています。

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