小惑星観測と「はやぶさ2」これまでの年表

2014年11月21日(金)

  • プロジェクト
  • 人工衛星・探査機
  • 歴史
このエントリーをはてなブックマークに追加

いよいよ打ち上げが迫った「はやぶさ2」。応援キャンペーンでは「みんなでつくるカウントダウン」企画が盛り上がっています。ここでは、“数字”で小惑星観測や宇宙輸送、「はやぶさ2」打ち上げ前の足跡を簡単に振り返ってみます。

はやぶさ2前夜~天文と小惑星観測、宇宙開発の歴史編


ウィリアム・ハーシェル

1609年
ガリレオが望遠鏡による人類初の天体観測を行った年

1738年11月15日~1822年8月25日
世界ではじめて小惑星を観測した、ウィリアム・ハーシェル(左上画像)の生年月日~没年月日

ドイツ出身の天文学者・音楽家・望遠鏡制作者ハーシェルは、天王星の発見(天王星は地球からは暗く肉眼では見えないため、当時観測は困難でした)、恒星の固有運動や天の川の構造の研究、赤外線放射の発見、二重星カタログの編纂.. 様々な成果を残しました。彼により「小惑星」がはじめて観測されました。


ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した
「ケレス」

1801年
世界ではじめて小惑星が観測された年(ケレス)

小惑星番号1を持っているケレス。直径約950kmと大きいので、現在は学術的に「準惑星」に分類されています。画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもの。

1853年
小惑星 (asteroid) という語が考えだされたのはこの頃。

1857年 9月17日~1935年9月19日
「宇宙旅行の父」「宇宙開発の父」「ロケット工学の父」コンスタンチン・ツィオルコフスキーの生年月日~没年月日

「はやぶさ2」を宇宙へ運ぶロケットの工学はここから始まりました

1900年6月29日~1944年7月31日「星の王子さま」著者サン=テグジュペリの生年月日~没年月日

1907年1月12日~1966年1月14日
ロシアの宇宙開発者セルゲイ・コロリョフの生年月日~没年月日

1912年3月23日~1977年6月16日
アメリカの宇宙開発者フォン・ブラウンの生年月日~没年月日

現在の宇宙開発の礎を築いた偉大なる宇宙開発者たちが競争し活躍したのが、1900年代中頃。ただしロシアのセルゲイ・コロリョフの名前は死後公表されました。 この謎については筑波宇宙センター発行の読み物をぜひご覧ください。

1943年 「星の王子さま」出版

はやぶさ2開発のマイルストーン~業務記録画像から振り返る

JAXAデジタルアーカイブス業務記録画像撮影日から、開発の進捗を振り返りました。
(撮影していない日も、多数の試験が行われました。)


衝突装置試験

2007年8月29日
プリプロジェクトに移行

2010年6月13日22時51分
「はやぶさ」地球に帰還


太陽電池パドル(SAP)進展試験

2011年10月30日
太陽電池パドル(SAP)進展試験

新規搭載される衝突装置の試験が行われました。試験の模様は映像情報(YouTube)をご覧ください。


2012年冬 機体公開

2012年
5月31日 一次噛合試験 質量特性試験
10月31日 太陽電池パドル(SAP)進展試験
12月26日 プレス向け機体公開(相模原キャンパス)

相模原キャンパスで「はやぶさ2」の機体を公開しました。この春に設計を完了した「はやぶさ2」は、まもなく探査機構造体への機器据え付けや、機器間のインターフェースの確認を目的とした「一次噛み合わせ試験」を開始しました。また、フライト品が完成した探査機の構造体や太陽電池パネルは、振動試験による機体の確認と、搭載機器が晒される振動環境の計測を行いました。

2013年 開発中

開発のエピソードは、特設サイトでプロジェクトマネージャー・メンバーが語っています。

2014年 8月31日 プレス向け機体公開(相模原キャンパス)

種子島出発直前の公開でした。

9月20日 機体が相模原キャンパスを出庫

「はやぶさ2」をJAXA相模原キャンパスより種子島宇宙センターに出荷しました。
慎重にトラックに載せられて港まで運ばれた「はやぶさ2」は、船で種子島に輸送されました。大きな精密機器の塊である宇宙機は、主に船で慎重に運ばれます。

9月22日 機体が種子島に到着

種子島西之表港に到着後、トラックで島内を輸送された「はやぶさ2」は、JAXA種子島宇宙センター衛星整備棟に到着しました。

10月27日 プレス向け機体公開(JAXA種子島宇宙センター衛星整備棟)

燃料充填やロケット搭載の最終準備作業を残すばかりとなった「はやぶさ2」。最後のプレス向け機体公開が行われました。

11月13日 ロケット接合部との結合
11月17日 フェアリング結合

燃料搭載を終えた「はやぶさ2」は、種子島宇宙センター衛星整備棟で、ロケットと宇宙機をつなぐ台座である衛星分離部(Payload Attach Fitting: PAF)に、「はやぶさ2」の機体を結合しました。

その後、一緒に宇宙へ旅立つ相乗り小型副ペイロード3基も搭載。

そして11月17日、「はやぶさ2」と相乗り小型副ペイロード3基は衛星フェアリング組立棟にて、フェアリングに格納されました。
フェアリングとはロケット先端で宇宙機を大気から守る“殻”の役割をします。今回は打ち上げ後およそ250秒で分離し役目を終えますが、宇宙機が無事旅立つために、とても重要なものです。

なお、ロケットの組立や衛星(宇宙機)との結合などの作業工程については「ロケットのきほん」をご覧ください。

いよいよ打ち上げ準備も大詰めです。

業務記録画像は、JAXAデジタルアーカイブスに掲載されます。要チェック!

2014年11月30日 打ち上げ予定日

打ち上げ予定時刻は13時24分48秒(日本標準時)です。



お気に入りの“数字”は見つかったでしょうか?! 「みんなでつくるカウントダウン」までぜひご応募ください。