若田光一宇宙飛行士・日本人初のISS船長に!~権限移譲式の様子~

2014年3月9日(日)

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  • 宇宙飛行士と国際宇宙ステーション(ISS)
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権限移譲式の様子

「きぼう」日本実験棟で行われた、権限移譲式の様子

3月9日夕方(日本時間)、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の若田宇宙飛行士が、前任のオレッグ・コトフ宇宙飛行士(ロシア)から引き継ぎを受けて第39代目のISS船長に就任しました。

若田宇宙飛行士、権限移譲式の様子

NASAの様子 ISS船長引き継ぎの儀式である権限移譲式は「きぼう」日本実験棟で行われました。
NASA(ヒューストン)と結んでセレモニーが行われた後、日本・筑波宇宙センターに通信が渡りました。

(左:NASAヒューストンの管制室の様子)

筑波宇宙センターの管制室日本からは、リードフライトディレクター・東覚さんが
「若田さん、日本人初のISSコマンダー就任おめでとうございます。コマンダー就任は、日本の有人宇宙開発の集大成だと思います。若田さんらしい『和』の心でISS運用をまとめ、成果を世界に向かって発信してください。我々も日本から全力でサポートしますので、共に頑張りましょう」
と祝辞を贈りました。
(左:筑波宇宙センター管制室の様子)

若田宇宙飛行士のコメント~『和』の心~

若田宇宙飛行士は権限移譲式の終わりに、日本語で次のようなコメントを述べました。

「ISSという地球最大規模の国際協力プロジェクトで船長という大役を任されたことを日本人として誇りに思います」
「船長就任は、これまで日本が築き上げてきた実績と高い信頼の現れだと思います。これは私一人の力ではなしえなかったこと」
「二回目の長期滞在を通して卓越した日本のチーム力を意識していると同時に、私達が「きぼう」の大きなチームの一員であることを感じています」

「私は今回の長期滞在に当たり『和』(ハーモニー)を信念としてあげました。『和』は日本人の心を表す言葉だと思います。
ISSという国際協力プロジェクトの中で、『和』の心を大切にして相手を思いやり、調和の中からベストな結果を生み出す。世界の中の日本らしさをもって船長の任務に当たりたい」
「東日本大震災から3年がたとうとしていますが、ここISSからは震災地域の街の灯が力強く輝いているのが印象的です。皆さんが復興に向けて努力なさっている様子をはっきりと感じ取ることが出来ますし、私もそれを見て強く励まされたように感じます。」
「『和』の心を大切にして、5月中旬までの船長業務を全うできるように尽力したいと思います。日本の皆様の応援に心から感謝いたします。」


権限移譲式後に談笑するクルーたち

若田宇宙飛行士は、5月中旬頃に予定されている帰還の前日まで、ISS船長として6名のISS搭乗員を統括し、指揮を執る予定です。



※画像の出典はすべて JAXA/NASA