宇宙を利用して世界のフロンティアを切り拓く!~平成25年度宇宙開発利用大賞表彰式レポート~

2013年10月11日(金)

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このほど内閣府宇宙戦略室「2013年度宇宙開発利用大賞」の各賞受賞者・団体が決定し、10月10日(木)に科学技術館サイエンスホールにて表彰式が開催されました。

宇宙開発利用大賞は、「宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした事例」に対して、その功績をたたえることで、日本における宇宙開発利用の進展、ならびに宇宙開発利用に対する国民の理解増進を図るために設けられた顕彰制度で、今回が第1回目。

今回、内閣総理大臣賞には一般社団法人漁業情報サービスセンターが選ばれました。
同法人は1985年以来、衛星からの位置情報と海面水温の情報を組み合わせた漁場の探索 技術を確立し、海況情報を広く漁業者へ提供することで、勘と経験に頼っていた漁業の 世界に先端技術を駆使した効果的・効率的な「宇宙漁法」を普及させて、漁業の近代化 をもたらした点が受賞のポイントとなりました。
「ここに行けば魚がよくとれる」という情報が事前にわかることで、「宇宙漁法」の導 入前後と比較して高騰する燃油が16.1%節約になったたほか、漁業の近代化により船頭を 志す若者の数が増え、漁業の最大の課題である後継者の育成にも大いに寄与しました。

山本一太内閣府特命担当大臣(宇宙政策)から
表彰状と記念品の授与が行われた。

左:漁業向け海象・気象情報サービス「エビスくん」 右:高精度の海面水温分布を船舶に提供。(C)JAFIC

表彰式終了後には、川口 恭一 一般社団法人漁業情報サービスセンター会長から事例発表 があり、衛星からの海面水温の情報は周辺を航行する船舶からの実測値をもとに補正して おり、長年の積み重ねでより精緻な水温分布を提供できるようになったことや、現代の漁 業はGPSで自船の位置を知り、衛星を経由して通信を行うなど宇宙技術をフル活用しており、 インフラとして欠かせないため、安定的に衛星打ち上げが継続されることが重要であること などが紹介されました。
なお、宇宙航空研究開発機構理事長賞には、大気圏再突入観測システム『i-ball』の開発・ 製造を通じて将来的な地球と宇宙の往還に必要となる大気圏再突入技術の確立に必要となる 各種データの入手が可能になったことを評価して、株式会社IHIエアロスペースが選ばれました。

奥村直樹理事長から表彰状と記念品の授与が
行われた。

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