「こうのとり」6号機、国際宇宙ステーションに結合完了!
2016年12月14日(水)
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ISSのロボットアーム(SSRMS)に把持された「こうのとり」6号機(提供:JAXA/NASA)
12月9日(金)にH-IIBロケット6号機で打ち上げられた宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機(HTV6)は、12月13日(火)19時39分(日本時間)に国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームにより把持され、12月14日(水)3時24分(日本時間)にISSとの結合を完了しました。
同4時44分に補給キャリア与圧部のハッチが開けられ、第50次長期滞在クルーが入室しました。
今後、食料や飲み水などの補給物資のほかに、日本製リチウムイオン電池を搭載した新型バッテリ―、超小型衛星7基などの貨物がISS搭乗員によって順次ISSへ移送される予定です。
ISSに接近する「こうのとり」6号機 (提供:NASA)
宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機の役割
6度目となる打ち上げ・ISSとの結合が成功した宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機の主な搭載品とそのミッションをご紹介します。
「こうのとり」6号機の主な搭載品とミッション
「こうのとり」は船内、船外物資合計で約5.9トン(船内物資約3.9トン、船外物資約1.9トン)をISSに運びます。
6号機では、「運ぶだけじゃない未来へつながるこうのとり」というキーメッセージの通り、ISS離脱後に軌道上において、将来のデブリ除去実用化を目指す実証実験を行います。
小型衛星放出機構
従来の6U→12Uに放出機能を倍増させた小型衛星放出機構を輸送しました。
超小型衛星(CubuSat)
九州工業大学、有人宇宙システム株式会社、東京大学、筑波大学、静岡大学、(株)中島田鉄工所、早稲田大学が開発した計7基の超小型衛星を輸送しました。
HTV6搭載予定の超小型衛星、小型衛星放出機構(J-SSOD)公開の様子
ISS用新型リチウムイオンバッテリ
日本製リチウムイオン電池を使用した、ISS用新型リチウムイオンバッテリ6台を輸送しました。
現在ISSで使用されているニッケル水ぞバッテリは老朽化が進んでおり、日本製リチウムイオン電池があって初めてISS運用延長が実現します。
新型ISSバッテリに搭載される日本製のリチウムイオン電池
KITE:HTV搭載導電性テザーの実証実験
宇宙開発利用の長期持続性のためには、効率的なデブリ対策が必要です。2020年代の中頃のロケット上段のデブリ除去実用化を目指し、「こうのとり」6号機を活用した導電性テザーの要素技術実証を実施します。実証実験はISS離脱後大気圏突入までの間に7日間かけて実施される予定です。
KITE実験中の想像図
「こうのとり」は、使用済みの資材など最大6トンの貨物を搭載して大気圏に再突入させる役割を担います。6号機では、輸送したISS用新型リチウムイオンバッテリと置き換えた、ニッケル水素バッテリを搭載し、大気圏に再突入します。
特設サイトでは、 引き続き「こうのとり」の運用を支える管制官、「こうのとり」6号機への応援メッセージを募集しています。ぜひメッセージをお寄せください。