飛べモデルロケット!

2015年12月18日(金)

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最近、宇宙開発関連のビッグニュースが続いています。でも大きな成果は小さな一歩から…ということで、小さなロケット「モデルロケット」のことをご紹介。
少し前の話になりますが、編集部スタッフは秋晴れの10月3日に筑波宇宙センターで行われた「第27回モデルロケット全国大会」(主催:NPO日本モデルロケット協会)におじゃましましたので、熱気あふれる大会の様子をレポートします。

モデルロケットってなんだ?

「モデルロケット」は、プラスチックや紙で作る小さなロケットの工作です。キットも販売されていますが、チョコレートの筒などで自作もできます。見た目はオモチャのようですが、原理は本物のロケットと一緒。動力を使い、反作用で空に飛び上がります。

動力は火薬エンジン。おおまかに分類するとイプシロンロケットあるいはペンシルロケットといった固体燃料ロケットと同じです。

えっ火薬を使うの!? 危ないんじゃないの?

いえいえ、使うエンジンはあくまで教育目的に開発された専用の製品で、基準を満たした上で販売されているので、ルールに沿って使えばとても安全です。
ただし、打ち上げには日本モデルロケット協会のライセンスと広い場所が必要です。従って、モデルロケットは主に指導者がいる学校の部活や大人の同好会活動の場で楽しまれています。


全国からモデルロケットの猛者が集結。

この日の大会には、全国から42チーム109名が選手として参加しました。ちなみに地方大会はなく、最初から全国大会です。
モデルロケット協会のライセンスを持った人が選手登録できます。

参加者は、中高・大学が20校、大人のサークルや個人出場が22チームと、所属も年齢もさまざま。参加チームは関東だけでなく岩手、秋田、新潟、名古屋、鳥取、佐賀… 会場は、全国津々浦々から集まったたくさんの方で賑わいました。
またロケットという男性っぽい印象ですが、大会参加者は女性率高し! 長年参加している方にお話を聞くと、女性率は年々増えてきているそうです。まさにロケットガールです。

この道何十年? 風格の背中


東北から筑波へ来たそうです

大勢のロケットガール!

ランチャに設置。打ち上げ!

モデルロケットはランチャと呼ばれる専用の発射台に設置して打ち上げます。ランチャにはランチロッドと呼ばれる棒がついており、ここにモデルロケットの本体についているランチラグパイプという管に通してロケットを設置します。設置後、エンジンを点火するのに必要なイグナイターと呼ばれる点火装置の電線と発射スイッチにつながっているコントローラーをつなぎます。
モデルロケットの構造などについては、日本モデルロケット協会のページに詳しく掲載されています。

準備ができたら最終安全確認をして、カウントダウン…点火!

打ち上がったロケットはものすごい速さで上昇! さすがに第一宇宙速度には達しませんが、瞬間的に時速180kmほどまで加速するんだそうです。筑波宇宙センターの建物よりも高くあがり…あれ? どこだろう? …あっ、パラシュートが開いた!

ゆっくり降りてきました。

この写真はパラシュート滞空時間競技のものです

行われた競技は3種類(パラシュート滞空時間、ペイロード定点着地、高度競技)。全部で300本以上のモデルロケットが飛びました。限られた時間で300本以上のロケット打ち上げるため、かなりさくさく打ち上げられています。

真剣勝負の競技が繰り広げられる一方、お昼休みにはデモンストレーション打ち上げが行われました。競技とは違い規格にとらわれない、オモシロ・アイデアロケットが登場し、会場をどっと沸かせました。

イプシロン!! ランチャまで正確に再現。また、歴史に名を残した名ロケットも登場

10月にちなんでパンプキンロケット。ほか、傘ロケットなど


競技は夕方まで続き、最後は和気あいあいとした表彰式で幕を閉じました。大会結果は日本モデルロケット協会のページをご覧ください!

さて一日見学した編集部スタッフ、あることに気づきました。
「なんだか本物のロケット開発と似ている…」
一体どんなところが似ているのでしょうか?


研究開発に燃えろ!

持ち込まれた機体には選手それぞれの工夫がぎっちりつまっていました。素材、形状、設計、製造技術の研究開発が必要なのは、本物のロケットもモデルロケットも同じです。


よりよく飛ばすためには、軽さ、丈夫さ、耐熱性を両立させ、形状を工夫することが重要で、各チームともアタマと手を最大限に使って機体を開発していました。

上位成績を収めたチームに工夫した点を聞いてみましたが詳細は非公開とのこと。企業秘密ならぬチーム秘密ですね!


打ち上げは、ご安全に!

外れやすいパーツはないか?重さは規格内か?

持ち込まれた機体には選手それぞれの工夫がぎっちりつまっていました。素材、形状、設計、製造技術の研究開発が必要なのは、本物のロケットもモデルロケットも同じです。

NOGO(打ち上げ実施不可)となった機体は、検査時間内に不良点の点検と修正作業、再検査を行います。

次に、打ち上げ時打ち上げる人はロケットから半径5m以上離れなければいけません。事故を防ぐためのルールです。種子島宇宙センターでの大型ロケット打ち上げ時も、半径3km圏内からは退避ですので、これもよく似ています。

また退避後のカウントダウンでも、本物ロケットさながらの緊張感で安全確認が行われました。


いよいよ…
「発射準備完了」
「低空飛行物体なし」
「秒読み開始」
「5,4,3,2,1,点火!」

安全に打ち上げてこそのロケット!!
大小を問わずどんなロケットでも一緒ですね。


さあ、来年2月12日にはH-IIA ロケット30号機が打ち上げ予定です。
また、モデルロケットとおなじく固体燃料ロケットのイプシロンロケットは、2016年度に「ジオスペース探査衛星(ERG)」の打ち上げを目指して強化型の開発が進められています。

来年もぜひぜひ、ロケット開発や宇宙開発に注目してくださいね!