X線天文衛星「ASTRO-H」2月12日宇宙へ ― 熱い宇宙の中を観る
2015年12月11日(金)
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- ロケット
- 人工衛星・探査機
写真:筑波宇宙センターで機公開されたASTRO-H (2015年11月27日)
X線天文衛星ASTRO-Hの打ち上げ予定日が、2016年2月12日に決定しました。H-IIAロケット30号機により、種子島宇宙センターから打ち上げられます。
“熱い”宇宙の中を観る?
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宇宙は冷たく静穏に見えますが、X線を用いると、爆発・衝突・突発現象など、激動に満ちた熱い姿が見えてきます。
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本日オープンした特設サイトで、ミッションや観測機器などの情報を随時お知らせいたします。ぜひ ASTRO-Hが観ようとしている“熱い宇宙”とは何か、どのような機器が搭載されるのか、などにふれてください! またJAXAは打ち上げ当日のライブ中継を予定しています。
宇宙にX線天文衛星を打ち上げる理由
ASTRO-Hが観測の対象としているX線は、私達が普段見ている光(可視光線)の仲間で、電波・赤外線・紫外線と同じ電磁波の一種です。宇宙から地球へ飛んでくるX線やガンマ線は、地球の大気に吸収されてしまうため、地上で観測することができません。そのため、大気圏外に出て観測することが必要となります。
X線は可視光と比べて1000倍から10万倍も波長が短く、その分、高いエネルギーを持ちます。
ブラックホールや中性子星、銀河団など、宇宙に存在するさまざまな天体の多くは、天体の内部や周囲における高温・高エネルギー現象にともなって、可視光だけでなくX線でも輝いています。
ケンタウルス座銀河団 左:可視光(NASA Skyview) 右:X線(JAXA/U.Tokyo)
レントゲン写真や空港の荷物検査などで使われるように、X線は高い透過力が特徴です。しかし、その透過力をもってしても、地球の大気の「壁」をこえて、宇宙空間から地表へ到達することはできません。宇宙空間から到来するX線をとらえるためには、X線望遠鏡を人工衛星に搭載し、大気の外へ出ることが必要なのです。