“L+359” 着々と進む準備~地球スイングバイまであと一週間~

2015年11月27日(金)

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  • 人工衛星・探査機
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L+359となりました。
来週12月3日の地球スイングバイまであと一週間です。
プロジェクトチームをはじめ関係者の間で、準備が着々と進んでいます。

11月26日には、2回目の軌道微修正運用「軌道補正マヌーバTCM2(*1)」を行い、化学推進スラスタ(RCS)噴射を予定どおり終了しました。地球スイングバイの精度を高めるため、プロジェクトチームでは噴射後の探査機状態や軌道データの解析中です。


はやぶさ2プロジェクトサイト 運用状況速報(11月26日)より

2015年11月26日の8:30から10時頃(日本標準時)において、軌道補正マヌーバTCM2を実行しました。
RCSスラスタを予定通り約1秒間噴射し、TCM2は正常に終了しました。
探査機の状態は良好です。
今回も12基あるスラスタのうち4基を使いました。噴射は2回に分けて行いました。


(*1)TCM=Trajectory Correction Maneuver

そして、軌道補正マヌーバの第1回目(11月3日)と2回目の間、地球に近づく「はやぶさ2」が地球と月の写真を送ってきてくれました。
撮影をしたのは、11月10日から13日の4日間。「はやぶさ2」に搭載した中間赤外カメラ(TIR)がとらえた画像です。TIRでは地球と月の『熱』をとらえ、撮影しています。


TIRによって撮影された地球と月(アニメーション)。画像は説明図とほぼ同じ向きになっている。
(©JAXA はやぶさ2プロジェクト)

説明図(©JAXA はやぶさ2プロジェクト)
注:53°という角度は、黄道面から測った角度である。月の地球の周りの軌道(白道)は黄道に対して5°ほど傾いているが、ここでは分かりやすいように図を簡略化してある。


撮影時の地球と「はやぶさ2」との距離は約900万km。地球と月との距離は約38万km。「はやぶさ2」がスイングバイの時に地球に最も近づく距離は約3100kmの予定です。

壮大な宇宙でのスケール感の中で、運用では、時に「約1秒」の勝負が求められます。

この醍醐味を皆さんにも感じていただけるよう、これからもいろいろとお伝えしていくように頑張ります。

『千里の道も一歩から』

2018年初夏のリュウグウ到着までには、まだ2年半かかります。
「はやぶさ2」から届くリュウグウの姿(ファーストショット)はどのような画像でしょうか…

<「はやぶさ2」公式ツイッター企画のお知らせ>
3万人を超える皆さんにフォローいただいている“はやぶさ2公式ツイッター”。来週11月30日、12月2日の2日間、皆さんからの質問に、プロジェクトメンバーがお答えします。質問したい方、どんなやり取りが繰り広げられるか気になる方は、ぜひ、“はやぶさ2公式ツイッタ―”をチェックしてください。

■ スケジュールと質問テーマ
(1) 11月30日(月) 12:00-13:00
テーマ:「スイングバイについて」 
回答者:吉川 真(ミッションマネージャ)
(2) 11月30日(月) 18:00-19:00
テーマ:「はやぶさ2探査機について」
回答者:西山 和孝(イオンエンジン担当)
(3) 12月2日(水) 12:00-13:00
テーマ:「はやぶさ2のサイエンスについて」 
回答者:安部 正直(近赤外分光計・サンプルキュレーション担当)
*1: 時間は日本時間です。
*2: 回答者は現時点での予定となります。
*3: お寄せくださいましたすべての質問に、必ずしもお答えできない可能性がございます。あらかじめご了承ください。

<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年11月27日14時0分(日本時間) 現在

太陽からの距離 1億4,602万km
地球からの距離 256万km
赤経 -107.85度
赤緯 28.80度
航行速度(対太陽) 30.52km/s
「地球からの距離」に誤りがございました。
誤:「2,557万km」→正:「256万km」
たいへん申し訳ございませんでした。今後正確な表記に努めてまいります。

地球から見た「はやぶさ2」の方向

「はやぶさ2」と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)

はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―

打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、はやぶさ2広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。