急速ランデブー方式であっという間にISSへGo!
2015年7月17日(金)
- プロジェクト
- 宇宙飛行士と国際宇宙ステーション(ISS)
油井宇宙飛行士が搭乗予定のソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の打ち上げ日は平成27年7月23日(木)6時02分(日本時間)に正式に決定しました。
油井宇宙飛行士ら国際宇宙ステーション(ISS)第44次/第45次長期滞在クルーの面々は、7月10日、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)から、いよいよソユーズ宇宙船の打上げが行われるカザフスタン共和国のバイコヌールへ移動しまして、打ち上げに向けて整備が進められるソユーズTMA-17M宇宙船(43S)と、打ち上げ時に着用するソコル宇宙服の確認を行っています。
7月11日、ソユーズTMA-17M宇宙船を確認する油井宇宙飛行士(提供:S.P.Korolev RSC Energia)
油井さんの打ち上げまであと7日に迫ってきた今日この頃ですが、ファン!ファン!JAXA編集部では「油井宇宙飛行士ISS長期滞在プレスキット」に掲載されている興味深いコラムのいくつかを引用して皆さんにご紹介したいと思います。
6時間でISSにドッキングするための特急フライト(急速ランデブー方式)
2013年3月のフライト(34S)から、ソユーズ宇宙船のISSまでの飛行時間が大幅に短縮されるようになりました。ソユーズはISSに到着するまで地球を30周していましたが、わずか4周になりました。この飛行経路は、ISSがバイコヌール宇宙基地上空の軌道上を通過した直後に打ち上げを行うことと、ソユーズ宇宙船の計算能力を強化し(ソユーズTMA-Mで改良されたデジタル計算機への更新により対応が可能となった)、最適な軌道制御を行うことで実現しています。
※もし、トラブルなどが起きて計画が狂った場合は、従来通り2日かけてISSに向かうシーケンスに変更します(2014年3月のフライト(38S)では投入軌道高度にずれが生じたため、打ち上げ後に計画を変更しました)。
ソユーズ宇宙船の標準的な飛行計画 | ソユーズ宇宙船の急速ランデブー方式 |
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所要時間 | |
3日間かかりました |
6時間で到着しました! 飛行機だと日本からベトナムくらいの所要時間です。 |
主要な飛行計画 | |
【打ち上げから9分後】 |
【打ち上げから9分後】 ドッキング直前のソユーズTMA-16宇宙船(20S) |
狭い帰還モジュールの内部 (提供:NASA) |
クルーは居心地の悪い狭い宇宙船内で長時間過ごす必要がなくなり、宇宙船の姿勢変更などで生じる負担がかなり減りました。また、生物試料などを運搬する際にISSへの搬入時間が大幅に短縮できるなど、大きく改善されました。 一方で、飛行時間が短すぎるため座席を出て与圧服を脱いでくつろぐ時間がない(スーツの上半身のみ脱いでトイレには行けるようにしたり、脚のストレッチができるよう調整されたとのことです)、地上の作業負荷が高いという問題もありますが、これだけ時間短縮できるのはやはり大きな利点です。 |
いかがでしたでしょうか? 打ち上げからわずか6時間でISSに到着できるなら体の負担も少なくていいですよね! 日本から欧米に行くよりも宇宙へ行くほうが短時間で済むというのはなんとも不思議ですね!
インターネットライブ中継を見て油井宇宙飛行士を応援しよう!
JAXAでは、油井宇宙飛行士が搭乗するソユーズTMA-17M宇宙船(43S)の打ち上げの模様を、インターネット(YouTube・ニコニコ生放送)にてライブ配信する予定です。
ぜひ一緒に、油井宇宙飛行士がISSへ向けて旅立つ瞬間を応援しましょう!