ESAの実験機「IXV」、大気圏再突入に成功
2015年2月13日(金)
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将来の再使用型宇宙往還機の開発に向け、欧州宇宙機関(ESA)が実施した実験機IXV(Intermediate eXperimental Vehicle)の大気圏再突入実験が2月11日に成功しました。
着水後、回収されるIXV (C) ESA–Tommaso Javidi, 2015
2月11日10:40(現地時間)南米・仏領ギアナの射場から小型ロケット「ヴェガ」により打ち上げられたIXVは、高度340kmでヴェガより分離、412kmまで上昇。その後、極超音速(秒速7.5km)で大気圏に再突入し、打ち上げからおよそ100分後にガラパゴス諸島西域の太平洋に着水しました。
IXVの圧力、温度、加速度等300を超えるセンサからデータを記録し、得られた結果は約6週間後に発表される予定です。
ESAのジャン・ジャック・ドーダン長官は「IXVは再突入能力と再使用に関してESAに新たな一章を開いた」と語りました。
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再使用型宇宙往還機とIXV、そしてPRIDE
使い捨て型のロケットとは対照に、宇宙に繰り返し打ち上げることのできる打ち上げ機のことを再使用型宇宙往還機といいます。 ESAではその実現に向けた長期的な研究が行われており、今回実験されたIXVはその中間地点。ミッションCGがありますので、ぜひご覧ください。
フェアリングに格納されるIXV (C) ESA–M. Pedoussaut, 2015 |
IXVを覆う炭素繊維パネル (C) ESA–M. Pedoussaut, 2015 |
IXVは全長5m, 全高1.5m、全幅2.2m、 質量約2t(燃料)と乗用車並のサイズ。黒い部分は炭素繊維素による防護パネルとなっており、再突入時の温度およそ1700℃に耐える設計です。
今回の成功を受け、ESAはPRIDEと呼ばれる次の機体開発へ移行するとのこと。PRIDEは主翼やロボットアームを持つことも視野に入れた検討段階で、ESAによれば2017年に開発をはじめる予定です。
参考: