G空間社会をイベントで体験! G空間EXPO2013
2013年11月15日(金)
- イベント
- 人工衛星・探査機
地理空間情報をテーマとしたイベント「G空間EXPO2013」が、11月14日(木)に東京・お台場にある日本科学未来館にて開幕しました。
地理空間情報(G空間情報)とは、「いつどこで」といった時間や位置に関する情報を含めた情報のこと。例えば、ドライブなどの際に利用するカーナビゲーションは、GPS(全地球測位システム)を用いて、自分の現在地を地図上に示します。これも地理空間情報を活用したシステムの一つですね。
でも、G空間情報って、他にはどんな風に活用されてるの? 最新のG空間社会を知るため、実際にイベントで体験してきました!
ゾーン「宇宙・衛星測位がG空間の未来を拓く」には、内閣府宇宙戦略室や経済産業省をはじめ、複数の機関による展示が行なわれ、そのなかにJAXAブースもありました。ブース入り口では、日本版GPS測位のシステムに貢献する準天頂衛星初号機「みちびき」の模型と、H-IIAロケットが来場する皆さんをお出迎え。
地球では日々さまざまな変化が起きています。JAXAブースでは、陸域や気候変動などの地球の営みを監視する人工衛星などが紹介されていました。人工衛星の仕組みを説明する動く模型は、見学に来ていた小学生にも人気!
写真左は、陸域観測技術衛星「だいち」の後継機となる、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を紹介する展示。「だいち2号」特徴が紹介されています。写真右は、JAXAとNASAが共同開発するGPM主衛星を紹介する展示。全球降水観測計画/二周波降水レーダ「GPM/DPR」の役割などについて、模型で分かりやすく紹介しています。
ほかにも、ビルなどの谷間や屋内、地下街などといった、GPSの電波を受信できない屋内でも位置を測位することができるIMES(アイメス)という測位システムが紹介されていました。GPSの電波を屋内で送信し、G空間情報を補うことによって実現します。
イベント会場の屋内外を移動してIMESの測位を体験するゲームがあると聞いて私も試しに参加。IMESの受信機(写真左)と情報端末(写真右)を借り、情報端末の地図を見ながらイベント会場を巡ります。ゲームを終えた後、気がつけば屋内と屋外を意識することなく、シームレスな測位を体験していました。
ほかのゾーンでは、人工衛星や航空機によるG空間情報を利用した高精度の立体的な地形図作成や、日本の海底の地形を3Dメガネで立体的に見ることができる大きな画像などが展示されていました。また、G空間情報を地域のコミュニティと結びつけることで、防災への対策や地域社会での子供やお年寄りの見守りといった身近な暮らしに繋がる研究なども進んでいるが分かりました。そのほか、レーザーによる計測を用いて人がいる位置を把握し、人にぶつからないように判断しながら会場内を移動するロボットなども紹介されていました。
G空間情報は、私たちの生活のさまざまな分野に結びつく可能性があることを実感…。
屋外会場に向かうと、準天頂衛星初号機「みちびき」のデモンストレーションをやっていました。「みちびき」の電波を受信する装置を手に持って原っぱを歩き、「みちびき」で絵を描いちゃおうというもの! 受信機を持った挑戦者が歩き始めると、モニタ上に歩いた軌跡が描かれていきます。
モニタはGPSの電波だけを受信した線(モニタ上の青色)と、「みちびき」がGPSの電波を補完した線(モニタ上の赤色)の2種類の線を表示。大きくブレる青色に比べて、「みちびき」が描く赤色は、わずか1mほどの移動でも細かく捉えています。
写真を見ると、「みちびき」の受信は一本の横線ですが、GPSのみの受信はボヤっとした固まりのようになっています。「みちびき」の精度の高さが分かりますね。
人工衛星をはじめ、いろいろな方法で測位したG空間情報が、私たちの生活に結びつけられ、私たちの生活をより快適で安全なものにする。そんなG空間社会が、どんどん広がっていくんだなぁと感じました。この「G空間EXPO2013」は16日(土)まで開催されます。お近くにお立ち寄りの際は、皆さんもG空間社会を体験してみてはいかがでしょうか。きっと楽しい発見があるはずですよ!