イプシロン大解剖[2] 試験機から強化型開発へ
2017年12月7日(木)
- プロジェクト
- ロケット
2013年9月14日にイプシロンロケット試験機を打ち上げた後、ロケットの性能を更にパワーアップさせるために、強化型開発に取り組んでいます。
2段モータの大型化
試験機では2段機体が、衛星フェアリングの中に収納されていましたが、強化型開発では2段機体をフェアリングの外に出して、モータの直径を約2.6mに拡大することによって、推進薬量を約1.4倍(約10.7t→約15t)に増加させることができるようになりました。
構造・装備の軽量化
ロケットを構成する部品や材質を変更して、ロケットのつくりをシンプルかつ軽くすることで、より多くの燃料を使えたり、より重たい人工衛星を載せられるようにしました。
電力シーケンス分配器(PSDB)は、電池からの電力を各機器に分配する装置のことです。試験機では機械式リレーを採用していましたが、強化型では半導体リレーに置き換えることで、イプシロンロケットの第2段および第3段に搭載されるPSDBが小型・軽量になり、ロケットの負担が軽くなりました。
▲サイズは小さく、約半分の重さになりました。
衛星を載せるスペースの拡大
2段モータがフェアリングの外に出たことで、人工衛星を載せるスペースが4.7mから5.4mに広がりました。これでより大きなサイズの人工衛星を搭載することができました。