イプシロン大解剖[1] イプシロン試験機を振り返る

2017年11月30日(木)

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イプシロンロケット試験機は機体の一部にM-Vロケットの技術を引き継ぎながら、H-IIAロケットで使われている部品や技術が活用し、短期間で、効率よく開発されました。
ロケット機体の開発だけではなく、点検や組立てなどの運用も効率化することによって、簡単に打ち上げられるシステムを作り上げました。「世界一コンパクトな打ち上げ」を目指し、運用・設備・機体の3点セットからなる打ち上げシステム全体の改革に取り組みます。

例えば、M-Vロケットでは、打ち上げ前の地上での点検作業に多くの装置が必要でした。
たくさんある部品を発射場でひとつひとつ手作業で組み立てる必要があったため、第1段ロケットを発射台に立ててから、打ち上げまでに2ヵ月近くもかかっていました。

イプシロンロケットでは、装置を減らして自動で点検できるようにし、手間と人手が少なくて済むようにしました。また、ロケットの部品を減らして、出来上がりに近い形で発射場に持って行けるような仕組みにしました。その結果、第1段ロケットを発射台に立てた後、短期間での打ち上げを可能にしました。さらに、これまでロケットの管制には特注の大きな計算機が必要でしたが、イプシロンロケットでは移動可能なほど計算機を小さくしコンパクトなシステムに切り替えました。