探査機「ニューホライズンズ」が冥王星に最接近!

2015年7月16日(木)

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史上初!冥王星の実態に迫るこれまでにない鮮明な画像が地球へ

「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星の姿(C)NASA/JHU APL/SwRI

7月14日午後9時(日本時間)ごろ、NASAの探査機「ニューホライズンズ」が冥王星の約12,500キロメートル上空まで最接近したことが確認されました。「ニューホライズンズ」は2006年1月の打ち上げからわずか約9年半で人類史上初めておよそ48億8千万キロメートルも離れた太陽系の果ての準惑星に到達しました。

直近の撮影の結果、冥王星の大きさは月の3分の2程度(直径2,370キロメートル)と想定よりやや大きく、南半球の地表には白いハート形の模様が見えています。また大きなクレータや巨大な谷などの地形も判別できます。

今後16カ月かけて地球へ送られる予定の冥王星のさらに鮮明な画像や詳しいデータを分析することで、太陽系の成り立ちに迫る新たな発見が期待されています。

冥王星に最接近する「ニューホライズンズ」の想像図
(C) Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute

冥王星フライバイ後、探査機からの信号を受信し、歓喜に沸き返る管制室 (C) NASA/BillIngals

NASAのチャールズ・ボールデン長官は「これは、科学と探査における歴史的勝利です。再び人類の持つ可能性のレベルを引き上げたのです」と語りました。

冥王星について

 

冥王星は1930年に発見された岩石質の惑星で、氷と凍ったメタンでおおわれていると考えられています。1978年の衛星「カロン」発見により、その運動などから質量と直径は明らかになりましたが、月の約3分の2と小さく、約40天文単位※という遠くにあるためまだ謎が多く残されています。2006年の国際天文学連合総会において「惑星」の分類から外れ「準惑星」と定義されました。

※1天文単位=地球と太陽の距離のこと。約1.5億km

「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星(C)NASA/JHU APL/SwRI

冥王星の南側の一部、数百キロ四方を捉えた画像にはクレータは見当たらず、高さ3,500メートル級の富士山クラスの山なみが確認できます。これらの山々は氷でできており、およそ1億年前に形成されたと考えられ、今も成長している可能性があるとNASAでは推定しています。

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