宇宙を漂う生命の「種」をキャッチ!「たんぽぽ計画」始動

2015年4月28日(火)

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油井宇宙飛行士も国際宇宙ステーション滞在中に実験に参加
宇宙を漂う地球の生命の源を捕まえる「たんぽぽ計画」、始動!

「たんぽぽ計画」実験装置の訓練を受ける油井宇宙飛行士

宇宙には果たして、地球上の生物と同じような生命体がいるのか? 生命の起源となる物質はどのようにして地球にやってきたのか? 決定的な証拠はいまのところ見つかっていません。

その証拠をとらえようという日本のユニークな宇宙実験が5月から、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟で始まります。

これは「たんぽぽ計画」と名付けられており、「きぼう」の船外に「エアロゲル」という寒天のような捕集材を設置して、宇宙空間を漂うアミノ酸などの有機物などを採収しよう計画です。

アミノ酸など生命の材料、つまり生命の「種」がタンポポの種のように宇宙空間で浮遊しているのを探すのが「たんぽぽ計画」のねらいなのです。実験には、東京薬科大学やJAXAなど、全国26の大学や研究機関が参加しています。

スペースシャトル退役で中断した計画が、「きぼう」日本実験棟で10年越しの実現

簡易曝露実験装置(ExHAM)(エックスハム)は、エアロックとロボットアームを合わせ持つ「きぼう」日本実験棟の機能を活用して、船外活動なしで宇宙空間に直接実験サンプルをさらして様子を調べるための装置。
上面にロボットアーム用の取っ手、下面に「きぼう」船外への取付け部を備えた直方体のつくりで、上面に7個、側面に13個の実験サンプルを搭載できます。
宇宙放射線など過酷な宇宙環境に材料を直接さらすこともでき、その影響を調べることで先進的な材料の開発への貢献も期待されています。

たんぽぽ計画で集められたサンプルは、「はやぶさ」の微粒子などとも比較され、
生命の起源の謎に迫ります。 (C)たんぽぽチーム

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