“L+93” イメージで我慢

2015年3月6日(金)

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3月6日、L+93です。
探査機、そしてイオンエンジン2台連続運転も順調です。

今回の連続運転で使用しているイオンエンジンは、AとDです。
初期機能確認において、4台全てが正常に機能することが確認できています。Bは他の3台よりも調子が良いため、しばらく温存する計画としています(※1)。

連続運転を開始してから二晩が過ぎましたが、第1回目稼働予定の約400時間まで、このまま安定して稼働を続けてくれることを願うばかりです。

「はやぶさ2」イオンエンジン

イオンエンジン・フライトモデル
真空チェンバ内での噴射試験の様子

「イオンエンジンが宇宙空間で薄紫がかった青白い光を放つ様子を見ることができれば」、と思うのは私だけではないですよね・・・。

申し訳ございません。
イオンエンジンの地上噴射試験の写真で我慢していただけますでしょうか?

※1 L+90レポートに「Bは使わないの?」とコメントを頂きました。
プレスリリースなど細かくお読みいただいていること、大感謝申し上げます。
イオンエンジン機能確認については、探査機初期機能確認の状況報告記者説明会(1月28日実施)の中でもご確認いただけます。ご都合の良い時にぜひご視聴ください。

<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年3月6日14時0分(日本時間) 現在

太陽からの距離 1億6,260万km
地球からの距離 3,702万km
赤 経 93.47度
赤 緯 -7.76度
航行速度 27.33km/s
探査機の航行速度(太陽相対速度)は太陽から離れると遅くなります。
これは、地上で真上にボールを投げ上げたときに、ボールの高さが高くなるにつれてボールの速さが遅くなっていくことに似ています。
探査機をイオンエンジンなどで加速した場合も、その速度は太陽からの距離によって変わります。“加速したのに遅くなる”こともあります。この不思議な現象については、また次回以降のレポートで詳しくご説明いたします。

地球から見た「はやぶさ2」の方向

はやぶさ2と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)

はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―

打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、月・惑星探査プログラムグループ広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。