“L+90” 初期機能確認終了。小惑星に向けて、いざ巡航フェーズへ。

2015年3月3日(火)

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L+90です。打ち上げから3ヶ月が過ぎました。
3ヶ月間の初期機能確認期間も、予定していた搭載機器等の確認、取得データの評価などが済み、昨日(3月2日)をもちまして終了となりました。
皆さまからのご支援と叱咤激励に御礼申し上げます。
本日の運用より、小惑星1999 JU3に向けた巡航フェーズに移行します。

巡航フェーズで先ず行うことは、年末に計画している“地球スイングバイ”への準備です。
イオンエンジンの連続運転(スイングバイまでに2回実施)により、(1)探査機を加速し、(2)スイングバイに適した軌道となるように制御を徐々に行っていきます。
1回目の連続運転は本日から開始し、3月中を予定しています。

「スイングバイまでの連続運転は2回でいいの?」と拍子抜けに感じるかもしれません。
JAXAの中でもそう思う人、多いです。
でも、いいんです。
H-IIAロケット26号機の打ち上げ・探査機分離がとても正確だったので、「はやぶさ2」にとっては負担の軽い運用計画が立てられています。

はやぶさ2プロジェクトマネージャ 國中 均より皆様へ

「全ての関係者の皆さまに感謝申し上げるとともに、運用に携わるメンバー全員、改めて気を引き締めて臨んでまいります。その気持ちを次の言葉に込めたいと思います。
『武運を信じ、いざ深宇宙動力航行に挑まん。両舷前進強速。進路、地球スイングバイ回廊。』 」


<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年3月3日14時0分(日本時間) 現在

太陽からの距離 1億6,245万km
地球からの距離 3,590万km
赤 経 91.94度
赤 緯 -8.57度
航行速度 27.36km/s

地球から見た「はやぶさ2」の方向

はやぶさ2と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)

はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―

打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、月・惑星探査プログラムグループ広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。