“L+35” 縁の下の力持ち

2015年1月7日(水)

  • プロジェクト
  • 人工衛星・探査機
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2015年 明けましておめでとうございます。
今年も一週間が過ぎ、本日1月7日でL+(エルプラス)のカウントは35日となりました。
「はやぶさ2」は年末年始も順調に航行を続けています。

順調な状態を確認できるのは、探査機と地上の運用者の間でコミュニケーションがとれていること、つまり通信が確立されていることになります。それには、臼田宇宙空間観測所(長野県佐久市)の臼田64m局を中心に、内之浦宇宙空間観測所、海外の深宇宙局(NASA・DLR 他)のまさに“縁の下の力持ち”と言える活躍が欠かせません。「はやぶさ2」の追跡管制は、プロジェクトチーム以外にも統合追跡ネットワーク技術部や宇宙科学研究所 科学衛星運用・データ利用センター、海外機関の各担当者が協働して行っています。


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年始からの運用では、探査機に新たに搭載された「Kaバンド高利得アンテナ」によるKa帯通信機能の確認を行っており、探査機との通信が確立されていることが確認できています。

さて、1月7日といえば七草粥ですね。皆さんは召し上がりましたか?
「人日の節句」に春の七草が入ったお粥を食べ、邪気払い・一年の無病息災を願う意味があり、平安時代から始まったと言われているそうです。今年からは、自分や家族に加えて「はやぶさ2」の無病息災も祈りたいと思います。ちなみに、皆さんのご家庭では七草粥にお餅をいれますか?


<「はやぶさ2」航行ステータス>
2015年1月7日14時0分(日本時間) 現在

太陽からの距離 1億5,512万km
地球からの距離 1,404万km
赤 経 73.76度
赤 緯 -24.49度
航行速度 28.7km/s

地球から見た「はやぶさ2」の方向

はみ出し情報

ラブジョイ彗星((C/2014 Q2)が今日1月7日、地球に最接近。地球との距離およそ7050万kmほどに近づき、明るさは4等級くらいになると予想されています。
しかも見える方向は、オリオン座・リゲルの右斜め上辺り。
そうです。地球から見た「はやぶさ2」の方向と同じ方向です!
今夜は壮大な宇宙に目を向けてみてはいかがでしょう。
もちろん寒さ対策はお忘れなく。

はやぶさ2カウントアップレポート“L+(エルプラス)”とは―

打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現します(あくまでも一例ですが…)。
今後、「はやぶさ2」の航行ステータスなどをお伝えするにあたり、6年間という長いミッション期間での“時間経過”を皆さんと一緒に感じていきたいとの想いから、レポートタイトル名といたしました。
“L+”では、月・惑星探査プログラムグループ広報担当者がミッション内容や運用状況にまつわるトピックスをお伝えしてまいります。