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なぜ種子島や内之浦で打ち上げるのですか?

ロケットについて

2014年12月26日(金) 更新
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地理的条件、安全性、経済性など、いろいろな要因を検討した結果、種子島や内之浦に射場を設置して打ち上げを行っています。

種子島宇宙センターから打ち上げる場合について、説明します。

需要が多い通信・放送衛星、気象衛星などが利用する赤道上空約36000kmの高さを西から東へ回る静止軌道
(衛星の周期が地球の自転周期と同じで、地上から見ると衛星が常に静止しているように見える軌道)に向けてロケットを打ち上げる場合エネルギー的に最も有利になるのは赤道上からの打ち上げです。

その一番の理由は、多くのエネルギーが必要となる軌道面を変える制御が必要ないからです。
例えば、緯度30度の地点から東に向かってロケットを打ち上げ、高度約36000kmの円軌道に乗せた場合、赤道上空の静止軌道に対し30度の傾き(軌道傾斜角)が生じます。
よって静止軌道に移すためには、軌道面を30度傾けなくてはならず、この制御には多くのエネルギーが必要となります。
打ち上げ場所が赤道に近ければ近いほど、この軌道傾斜角は小さくなり、軌道面を傾けるためのエネルギーが少なくて済みます。

違った見方をすると、同じロケットで赤道上空の軌道に打ち上げる場合、赤道の近くから打ち上げた方がより重い衛星を軌道に乗せることができることになります。

また、赤道付近が有利になるもう一つの理由として、地球の自転エネルギー(速度)を最大限利用できるという点が挙げられます。
地球は西から東に自転しており、一番速度が速い赤道上では秒速約464m、種子島付近でも秒速約400mもの速度で動いているため、ロケットを東向きに打ち上げる場合、この運動エネルギーをロケットのスピードに加算できるのです。

一方、地球を東から西に回る逆行軌道の場合は、地球の自転速度が無い方が打ち上げに必要なエネルギーは小さくなります。
例えば、地球を観測する衛星の代表的な軌道である太陽同期軌道(太陽との角度が常に一定となる軌道)に衛星を投入する場合には、軌道傾斜角が約98°の逆行軌道を取る必要がありますので、地球の自転速度が小さい方が好ましく、打ち上げ射場は極付近にあったほうがエネルギー的に有利になります。

このように、東向きに回る軌道に人工衛星を打ち上げる場合と、西向きに回る軌道に打ち上げる場合とでは、地理的に有利になる条件がまったく異なりますが、衛星の需要を考えると、東向きに打ち上げるものが多いことから、多くの国がそうしているように、日本もできるだけ赤道に近く(南側)、東側が開けている場所に打ち上げ射場を設置することにしました。

その他、場所の選定にあたって留意すべき点としては、打ち上げ方向に定期的な航空路や航路がなく、射場を設置するための広大な敷地が容易に確保できること、打ち上げ時の安全を確保するため射場周辺に民家などがないこと、打ち上げ作業などを進めるにあたり交通の便がよいことなどがあげられます。
現在の種子島宇宙センターは、これら全ての条件を完璧に満たしているわけではありませんが、
他の場所との比較により、最も条件に合った場所であるとの判断により選ばれました。

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