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固体燃料と液体燃料で方式に違いがあるのはなぜですか?

ロケットについて

2013年3月6日(水) 更新
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打ち上げに使われる固体燃料と液体燃料にはそれぞれの長所と短所があります。主な比較は、下の表に示してありますが、ここでは固体燃料についてご説明しましょう。

1955年に水平試射されたペンシル・ロケット以来、日本では科学観測に固体燃料のロケットを用いてきました。
1970年に日本最初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げてからも、固体燃料のロケットである「Mロケット」のシリーズを改良してきました。
科学衛星の打ち上げに使用されていたM-Vロケットは、輸送能力・制御能力などすべての点で、固体燃料ロケットにおける世界最高の水準にあり、世界のロケット技術において高く評価されています。


液体燃料ロケットに比較して、固体燃料ロケットは、極端に精確な制御能力は持っていませんが、科学観測のための衛星においては、実用衛星に比べると、軌道に投入されてから精確に軌道決定されれば観測に支障のないものが多く、今日まで固体燃料ロケットが使われているゆえんです。

この固体燃料ロケットの強力な バックアップを得て、日本の宇宙科学は1970年代から1990年代にかけて、世界に例を見ない飛躍的な発展を遂げ、X線天文学、宇宙プラズマ物理学、太陽物理学などにおいて、世界のリーダーとなる顕著な成果を挙げてきています。

一方1960年代において、宇宙開発の実利用が進むにつれて、日本もこの分野に乗り出すべく準備が進められ、1969年にNASDAが設立されました。
NASDAが担当する実用衛星は静止軌道に投入されるものが多く、制御能力にすぐれた液体燃料ロケットを開発すべく、アメリカからの技術導入に頼って技術の開発に努め、H-IIロケットに至って、ついに国産化に成功したのです。
しかし第1段の推力を補強する補助ブースターにおいては、アメリカのスペースシャトルと同様に固体燃料には捨てがたい魅力があり、H-IIAロケットにおいても、ISASが開発し世界の最高水準にある日本の固体燃料ロケット技術が活用されています。

固体燃料と液体燃料という2つの方式は、決して一方だけで宇宙輸送をなしうるものではなく、補い合いながら効率的なシステムを構築しています。液体燃料ロ ケットが主流となるかに見えた昨今、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアにおいて期せずして固体燃料ロケットへの見直しが始まっているのは、こうした背景があるからです。

固体燃料ロケットと液体燃料ロケットの比較

<固体燃料ロケット>
1.構造が簡単なので取り扱いが容易である。
2.誘導制御が難しい。
<液体燃料ロケット>
1.構造が複雑なので取り扱いが難しい。
2.誘導制御において優れている。

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