機関誌『JAXA's』Back Number 001→100
創刊から20年。『JAXA's』は、ついに100号を迎えました。 2005年にスタートして以来、JAXAという組織の歩みとともに、機関誌としてのあり方も少しずつ形を変えてきた本誌。ここでは『JAXA's』の軌跡をたどりながら、この20年のJAXAの変遷にも目を向けます。あわせて、『JAXA's』の編集委員を務めるJAXA職員たちが、それぞれ心に残る号について語ります。どうぞお楽しみください。
シーズン1JAXA's No. 001-018(2005年〜2008年)

2003年、宇宙科学研究所・航空宇宙技術研究所・宇宙開発事業団という三つの機関が統合され、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が誕生しました。 その歩みに寄り添うように、2005年には機関誌『JAXA's』が創刊。 JAXAの多岐にわたる活動を網羅的に紹介するとともに、宇宙や空を見つめる最前線の研究開発、その裏にある技術や職員の思いを、丁寧に伝えてきました。

PICK-UP▶No.001
(2005.3.31発行)
創刊号の巻頭には「発行にあたって」という一文があり、そこには「JAXAの人、JAXAの技術、JAXAのすべてを、このJAXA'sに込めて機関誌「JAXA's」をお届けしたいと思います。」とあります。特に人に焦点を当てるということで、18号(当時は隔月間だったので、約3年間)までの表紙は総て「人」でした。(編集委員・山村)
シーズン2JAXA's No. 019-062(2008年〜2015年)



JAXAが設立されて4年半が経ち、「空へ挑み、宇宙を拓く」という新たなメッセージを掲げました。この言葉には、空や宇宙への挑戦を通じて、社会や人類の可能性そのものを切り拓こうとする決意が込められています。『JAXA's』もまたそのメッセージに呼応し、部門の垣根を越えた多様なトピックを特集。この頃からは、「人」だけでなく、観測画像や宇宙から見た地球の姿といったビジュアルも、誌面や表紙を通して取り上げるようになっていきました。

PICK-UP▶No.060
(2015.03.01発行)
『JAXA's』の読者の方々はご存知と思いますが、JAXAは航空機の研究開発も行っています。普段見ることの多いボーイングやエアバスとは異なる、将来の飛行機の姿を提案すべく、超音速機や電気で飛ぶ飛行機、また、斬新な機体の形や先進的なエンジンなどを研究し、それを世の中に実現してゆく活動の一端を見て頂ける号かと思います。今話題の「空飛ぶクルマ」の元となる技術などにも、先を見据えて取り組んでいたことを読み取って頂ければ幸いです。(編集委員・伊藤)
シーズン3JAXA's No. 063-076(2016年〜2019年)

2015年、JAXAは国立研究開発法人として、新たな一歩を踏み出しました。その転換を機に、「安全保障・防災による安心・安全な社会の実現」「宇宙技術による産業振興」「フロンティアへの挑戦による宇宙の謎と人類の可能性の探求」という3つの柱を明確に打ち出し、活動の領域はさらに広がっていきます。『JAXA's』でも、「はやぶさ2」のタッチダウン成功(2019年)をはじめ、数々のミッションや研究成果が誌面を彩りました。

PICK-UP▶No.075
(2019.01.01発行)
「種子島宇宙センター50周年」ということで特集を組んだこの号を、あえて取り上げます。単に歴史や設備を説明するだけでなく、「世界一美しいロケット発射場」としての魅力を伝えるべく、最先端設備と自然の織りなす「映える」写真を選ぶのに注力した覚えがあります。今の『JAXA's』のヴィジュアルページにもつながるところです。中程の、久保田教授のインタビューも必読。(編集委員・山村)
シーズン4JAXA's No. 077-100(2019年〜2025年)

2019年、『JAXA's』は紙面を大幅にリニューアル。「宇宙と私たちをつなぐコミュニティマガジン」としての位置づけを新たにし、科学や技術にとどまらない宇宙航空分野の広がりを、日常、文化、芸術といった多様な視点から発信してきました。2020年、パンデミック下での「はやぶさ2」帰還。2024年には、SLIMによる世界初のピンポイント月面着陸、H3ロケット試験機2号機の打ち上げ成功と、歴史的な成果が続きました。こうしたJAXAの挑戦を伝えてきた『JAXA's』は、これからもその歩みに寄り添っていきます。

PICK-UP▶No.077
(2019.07.11発行)
JAXA's史上最大のモデルチェンジが77号。元号も令和に改まり、新しい時代のワクワク感が高まりつつある時期でした。これ以降の号では、表紙にイラストや写真がふんだんに登場。毎回異なる写真家・イラストレータさんたちは、決して宇宙や航空分野が専門ではなく、さらに「今回のキーワードは〇〇?」とか「特集が△△だから□□みたいなイメージ?」といった編集委員からの至極抽象的な依頼にも関わらず、意図を汲んだ流石の素晴らしい作品ばかりで感服です。(編集長・佐々木)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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