科学と芸術、その境目にあるもの

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50年前、人工衛星の追跡管制を行う施設として、筑波宇宙センターは開設された。写真はその運用を行う、追跡ネットワーク技術センターにて。

対談
科学と芸術、その境目にあるもの

児玉裕一映像ディレクター

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寺田弘慈JAXA理事・筑波宇宙センター所長

幼い頃の夢は科学者。映像ディレクターとなった今も、心は宇宙や科学にあるという児玉裕一さんが、今年で開設50周年を迎えた筑波宇宙センターを訪れ、日本の宇宙開発の最前線となる施設を巡った。案内人は、JAXA理事であり筑波宇宙センター所長の寺田弘慈。長年衛星システムの開発に取り組み、人工衛星の開発・利用を担当する部署の部門長も兼任する寺田と児玉さんがセンター内を歩きながら語った、科学と芸術の創造性。

宇宙空間よりも過酷な環境を地上に作る

寺田所長の案内のもと、筑波宇宙センター内にある展示館「スペースドーム」で「きく1号」を見学する児玉さん。
寺田所長の案内のもと、筑波宇宙センター内にある展示館「スペースドーム」で「きく1号」を見学する児玉さん。

寺田

筑波宇宙センターにようこそ! 今日はお越しくださってありがとうございました。

児玉

実際に施設の中を歩きながら感激していました。歩いている時に「地上に宇宙を作る」と寺田さんは話されていましたが、50年前にそのための施設を筑波に建設してから今に至るまでの歩みを思うと、改めてすごいなと。

寺田

50年前というと、アメリカはアポロ計画によってすでに月面に人類を送り込んでいましたが、日本の宇宙開発はその頃まだよちよち歩きの状態でした。そんななか「人工衛星を宇宙へ打ち上げるんだ」と、衛星の開発と運用に必要な設備を作ったことが、筑波宇宙センターの始まりです。人類にとって宇宙は過酷な環境ですが、地球から宇宙へ到達するまでの環境はさらに過酷なので、そのすべてに耐えうる衛星やロケットをどうやって作るのか?というのが当時の大きなテーマだったんです。ですから、その環境を模擬するためには、宇宙を地上に持ってくる必要があったんですね。

1975年に打ち上げられた「きく1号」の、筑波宇宙センターで行われた試験の様子。
1975年に打ち上げられた「きく1号」の、筑波宇宙センターで行われた試験の様子。

児玉

その過程を想像するだけでも気が遠くなりつつ、同時にまた感激してしまいます。

寺田

ただ、どうしても地上で宇宙を再現できないものがあって、それが無重力環境なんですよ。一方で人工衛星のアンテナは、ロケットの中では折り紙のように折りたたまれ、宇宙空間で大きく広げられる展開構造物です。つまり宇宙で実際の形に展開されていく人工衛星を、この地上でどうやって試験をするのか?が、大きな課題で。

「スペースドーム」には、歴代の「きく」シリーズが展示されている。
「スペースドーム」には、歴代の「きく」シリーズが展示されている。

児玉

スペースドーム(展示館)で伺った「きく8号」(通信・放送衛星)とか、アンテナが大きくて大変そうですよね。

寺田

まさに「きく8号」は携帯端末同士でも通信ができるように、テニスコートと同じぐらいの大きさがあるアンテナを持っています。当時、私はそのアンテナの開発担当だったんですが、宇宙ではつぼみの状態から約60分かけて"大輪の菊"になっていきます。その展開構造を、重力から逃れられない地上でどうやって再現するのか。本当に試行錯誤しました。

児玉

人間が最大限の効率化を求めて極限まで凝縮したものが、宇宙へ行った瞬間に今度は最大化していく。展開する構造だということが本当に美しい。僕にとっては理想的なクリエイティブです。それで最終的にはどうやって地上で試験をしたんですか?

寺田

アンテナを吊るして検証した、というのが答えです。重さのあるアンテナを吊った状態で、徐々に折りたたまれたアンテナを展開する試験をしました。このときに一番大切なことは、たとえアンテナがきれいに展開したとしても、重力が展開をサポートしてしまっている場合があるので、宇宙空間よりも厳しい環境を地上に作り上げて、そこで試験をするということ。またもうひとつの課題だったのは、「きく8号」のような展開アンテナのパーツというのは、布のように柔らかな素材でできていて、それが無重力環境に置かれた場合、形が固定されるまでの間、どういう形になるか予測がつかないことだったんです。地上の試験でも、柔らかな素材ゆえにひっかかって開かないという不具合を何回も起こしたんですが、その都度、調整していきました。言い換えるとそれは、人間の「想像力」が技術では模擬しきれない部分を補って設計するということでもあるんです。

特別に組み上げられた施設で行った、鏡面展開試験中の「きく8号」。
特別に組み上げられた施設で行った、鏡面展開試験中の「きく8号」。

児玉

もの作りの醍醐味というものは、実はそういうところにありますよね。僕自身、CMやミュージックビデオの撮影等で、現実にはない状況を作らなくてはいけないことがよくあって。もちろん宇宙開発の試験とは全然レベルは違いますが、例えば宇宙空間に浮かんでいる人を撮りたいとき、髪の毛はどういう状態だとリアルに感じてもらえるか?とか、喧々諤々(けんけんがくがく)そこから始めるんです。環境や状況を作っていくことはものすごい労力がかかりますが、それでもやっぱり醍醐味だと思います。

寺田

その通りですね。何か故障が起きても地上であったらすぐに修理に行けますが、宇宙となったらそうはいきません。つねに最悪を想定しながら極限の環境で検証することが宇宙開発の醍醐味だと思います。ですから今日、児玉さんに見ていただいたさまざまな試験設備は、宇宙よりも過酷な環境を作る場とも言えると思います。

制約を解決したり、生かしたりするのがデザイン

「スペースドーム」の中にある、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の実物大モデル。JAXAの宇宙飛行士は、筑波宇宙センターなどでの訓練の後、宇宙でのミッションを行っている。
「スペースドーム」の中にある、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の実物大モデル。JAXAの宇宙飛行士は、筑波宇宙センターなどでの訓練の後、宇宙でのミッションを行っている。

児玉

小さい頃、地元の自然科学館(新潟県立自然科学館)が大好きでよく通っていて、将来は科学者になると当然のように思っていました。

寺田

科学少年だったんですね。自然科学館のどんなところが一番刺さったんですか?

児玉

展示物はもちろん、売店で販売していたグッズまで、すべてです。地元の自然科学館は今振り返ってみると、デザイン面でもすごくクオリティが高かったなと思います。チャールズ&レイ・イームズが監督した映像作品『Powers of Ten』もここで初めて観ましたし、子供心にわくわくさせられるものが、行く度に見つけられたんです。

寺田

そこからどうして、今の道に?

児玉

科学者になるつもりで、大学は理学部に入って、化学を学ぶ道に入りました。そこで改めて自分が科学のどんなところが好きなのか?と考えてみると、科学技術に関わるデザインも好きだったんだなあということに気づいて。化学式や元素の周期表、NASAのロゴやボイジャー探査機のレコード盤、自然科学館のサイン計画。どれもかっこよくて美しくて、そこからデザインや映像に興味を持ち始めたことで、映像ディレクターという職業に行き着いたという感じです。でも、今でも自分のベースはやっぱり科学にあるなあと思うんです。例えばこの放物線がきれいだなとか、映像を考えるときの発想の源が科学的だったりして、心はいつも科学技術とつながりながら、行ったり来たりしている実感があります。

幼い頃の児玉さんが「どうしても欲しい」と自然科学館で両親にねだって買ってもらったという『MEGA 科学大辞典』(刊行元:講談社)。今も大切にしているという。
幼い頃の児玉さんが「どうしても欲しい」と自然科学館で両親にねだって買ってもらったという『MEGA 科学大辞典』(刊行元:講談社)。今も大切にしているという。

          HONDA/ Go,Vantage Point. 児玉さんが映像ディレクターを務めたCM作品。
HONDA/ Go,Vantage Point. 児玉さんが映像ディレクターを務めたCM作品。

寺田

児玉さんの映像作品をいくつか拝見したんですが、なかでも『UNIQLOCK』が自分の中に強く刺さりました。まず、映像が美しい。もともと私の専門は工学で、JAXAでは長年衛星システムの開発に取り組んできたんですが、衛星を開発するときに意外と意識するのが、リズムやバランスなんですよ。それで『UNIQLOCK』の映像は、どこか同じようなリズムやバランスを感じたんです。

児玉

えっそうなんですか?

寺田

宇宙は超真空で寒暖差も激しい環境です。太陽からの強い放射線もありますし、衛星を宇宙で飛ばすとなると、たくさんの制約が生まれます。例えば、衛星の動きが偏らないように重心は必ず真ん中にしなくてはいけないし、太陽電池パネルもつけなくてはいけない。地球を観測するためのセンサの視野が遮られないような設計にもしなくてはいけない、とか。だから衛星の形状とはいろんな制約を排除した結果、生まれた形状とも言えるんですが、その必然性にはある種の美しさが宿るんです。とてもシンプルであったり、規則性が生まれたり、シンメトリーであったりとか。『UNIQLOCK』の映像もまた、同じようなリズムやバランスを感じました。女性ダンサーたちが時報の音に合わせて踊りを披露する様子と、時計が交互に表示されるあの映像は、制約のあるなかで構造化した美がありましたね。

児玉

それは本当にうれしいです。僕自身、そもそも制約を解決したり生かしたりするのがデザインであって、クリエイティブでもあると思っているところがあるので。『UNIQLOCK』は映像と音楽の作品であり、ウェブサイトであり、時計の機能もついたブログパーツでもあったんですが、撮ったのが2006 年の頃で、インターネットの環境がまだ未発達だったんです。でも高画質の映像で勝負したい、しかも時計なので24時間絶え間なく配信できるようにしたい。じゃあどうしようかと考えた結果、プログラムで描画する5秒の時計表現とダンスで表現する5秒の映像を交互に繰り返すことにしました。フルHD の映像をずっと再生させるのはデータの負荷が高いのですが、実は時計表示をさせてる間にダンス映像をダウンロードしているんです。そうすることで、途切れることなく美しい映像を永遠に配信するコンテンツにすることができました。すべての要素が秒を刻んでいることによって秩序が生まれますし、まさに構造化することで生まれた美だったと思います。

執念や執着は、探究の始まり

大型の人工衛星を入れるため、巨大なシャッターがある総合環境試験棟の廊下。
大型の人工衛星を入れるため、巨大なシャッターがある総合環境試験棟の廊下。

寺田

『UNIQLOCK』が2006年に撮った映像だったとは驚きました。15年以上前に撮影した映像だとはまったく思えない新しさがあったからです。児玉さんはいつもどのようにしてアイデアを発想しているか、気になりました。

児玉

発想というと、ときどき意図していないところ、例えば偶然とか遊びのなかから映像が生まれることがあって、それがおもしろいんです。そういう場合、すぐに何かに使えるわけではないので、とりあえずデスクトップ上に置いて、次に生かされる日が来るのを待ちます。ほかにも自分が間違ったり、失敗した映像素材も捨てずに取っておくタイプで。というのもその失敗した素材から、ときどき見たこともない化合物が生まれることがあるんです。だから簡単には捨てない。そういうマインドで居続けた結果、僕のパソコンのデスクトップは驚くほど汚いです。画面全体がファイルで埋め尽くされているので、それを見た人には「なんだこれは!!」と必ず言われます(笑)。

寺田

どこに何があるのかわからなくはならないんですか?

児玉

自分でもどこに何があるかわからないです(笑)。でも、そのよくわからないフォルダがクリックをするとまったく想像していなかった画像が出てきたりする。まるでランダムアクセスメモリーのようで、それがまた良いんです。


        児玉さんの実際のPC画面。全体がファイルで埋め尽くされている。まさにランダムアクセスメモリー。
児玉さんの実際のPC画面。全体がファイルで埋め尽くされている。まさにランダムアクセスメモリー。

寺田

なるほど、偶然性を生かしたもの作りは、宇宙開発ではなかなかできることではないので、それはおもしろい。あともうひとつ、児玉さんに伺いたかったのが、先ほど間違ったり、失敗した素材も取っておくという話をしていましたが、失敗したあとのリカバリーはどうしているんですか? 宇宙開発の場合は本当にトライアンドエラーの繰り返しで、なかでも私が人工衛星の開発で一番気をつけてきたのは、Lessons & Learned。教訓です。いろんな 失敗や後悔をすべてフィードバックして、次に開発するときにそうならないように活かしていこうと。児玉さんの場合、普段そうした失敗を次につなげていくような流れはありますか?


        総合環境試験棟の中には、宇宙機が受ける、ロケット打ち上げ時の大音響を再現する音響試験設備もある。
総合環境試験棟の中には、宇宙機が受ける、ロケット打ち上げ時の大音響を再現する音響試験設備もある。
音響試験設備では、ホーン(写真左ほか2つ)に窒素ガスを大流量で流し、大音響を発生させる。
音響試験設備では、ホーン(写真左ほか2つ)に窒素ガスを大流量で流し、大音響を発生させる。

児玉

そうですね、失敗した悔しさは絶対に忘れないというか、根に持ちます。と同時にこれは宇宙開発と同じだと思いますが、納期というものが必ずあるので、失敗してもそこで止まってはいられないので、どれだけ早い段階で切り替えられるのかが、ポイントになっています。と言いながら、切り替えている最中も、ずっと根には持ってます(笑)。

寺田

納期は大事ですよね。根に持ったものをどうやって次に活かしていくか。そこですね。クリエイターの才能とは、その姿勢や態度にも現れるような気がするんです。

児玉

僕はしつこいかもしれないですね。映像が完成しても満足してるのはその直後くらい。映像技術も目まぐるしく進化してるので、できなかったことがどんどん実現できるようになっていきますし、リベンジの繰り返しです。

寺田

執念と執着。まさにそれは探究でもあります。そこは宇宙開発も似ていると思います。今日試験設備を見ていただいたように、最初の試験でなんの不具合なく完璧に完成するなんてことは絶対にないので、成功に至るまではいろんなトラブルとの戦いです。それはまさに執念がないと解決しきれないなと思いますし、納期との闘いでもあります。

児玉

それは本当にもう、実感しました。改めて宇宙開発とは、果てしない世界だと。


        音響試験室は反響室(または残響室)と呼ばれ、分厚いコンクリートで覆われた一種の共鳴箱となっている。
音響試験室は反響室(または残響室)と呼ばれ、分厚いコンクリートで覆われた一種の共鳴箱となっている。

夢を支えて助けて、実現していく筑波宇宙センターに

寺田

映像は撮ったあとにそれをどのように編集するのかもまたクリエイティブな作業だと思いますが、我々も例えば人工衛星を開発して、打ち上げて、宇宙からの地球の観測データを取得したあとがまた本番で、そのデータを地上で使いやすくするために日々、研究しているんです。例えば今日、地球観測研究センター(EORC)で見ていただいた観測データも、JAXAの衛星に搭載したセンサデータを単に画像にしただけのものではなく、複数のセンサデータを組み合わせて、さまざまな制約にあらがい、できる限り正確さを追求しながら、空間的、時間的に補完して人間が「創作」することで、使いやすいデータにしています。雨粒を3次元構造にして可視化することもそう。科学者や研究者のインスピレーションにつながるように、また利用者にどうしたらそのデータを心地よく使ってもらえるだろうか?という観点が我々にはつねにあります。

雨雲の中の降水を立体的に観測できるGPM主衛星搭載二周波降水レーダ(DPR)。実際にDPRが観測した降水の3Dデータを、VR空間で体験する児玉さん。
雨雲の中の降水を立体的に観測できるGPM主衛星搭載二周波降水レーダ(DPR)。実際にDPRが観測した降水の3Dデータを、VR空間で体験する児玉さん。

児玉

今、寺田さんは"心地よく使ってもらう"とお話しされましたが、そこにたどり着くまでの糸口は「おや?」という、空白地帯に芽生えた違和感だったり発見だったりすると思うんです。天気予報のように完璧な正確さよりもスピードの優先度が高い分野だったりすると、計算や論理だけではないフィジカルな感覚やニーズの先に思い切ったイノベーションがあって、それがやがて広く一般に使われていく技術やデータになっていく。空白地帯を予測とアイデアで補完して、人間が使える領域にしていく。そういう部分も寺田さんにご案内いただきながら感じられて、改めて科学技術は素晴らしいなと思いました。


            資生堂/150周年企業広告「美しさとは、人のしあわせを願うこと。」児玉さんが映像ディレクターを務めたCM作品。
資生堂/150周年企業広告「美しさとは、人のしあわせを願うこと。」児玉さんが映像ディレクターを務めたCM作品。

寺田

確かに違和感ってとても大切ですよね。

児玉

映像の世界でも「見向きもされなかったところ」にこそ、制作者として挑む要素があると思っています。もしそこに新しい価値観をつくれたなら、その映像は視聴した人自身の発見や体験になることができるからです。だから僕はいつでも「違和感の第一発見者」になりたいんです。あと、大学生の頃に触媒反応の研究をしていたんですが、普段と大きく異なる化学反応が起きるのは、異なる環境の境界線上だったりして、隙間や境目は本当におもしろいなと思っていました。そういう境目の周辺を普段からふらふらしていると新しい違和感の発見があって、それが自分の作る映像にもつながっているのかなと思います。

寺田

児玉さんにこの筑波宇宙センターをご案内するのはとても楽しかったです。科学や宇宙が本当に好きなんだなというのが伝わってきましたし、理系のバッググラウンドをお持ちだから、こちらのツボを理解してくれているのもうれしかったですね。筑波宇宙センターも50年を迎えて、この先を見据えた映像を、異分野が交わり新しい化学反応が起きているような視点で、児玉さんに撮ってもらえたらいいですね。

宇宙機やロケットに搭載されるアンテナの特性を確認するための電波試験棟・第2無反射室。黒いトゲトゲは電波吸収体と呼ばれ、部屋の内部に到来した電波が反射しないようにするためのもの。
宇宙機やロケットに搭載されるアンテナの特性を確認するための電波試験棟・第2無反射室。黒いトゲトゲは電波吸収体と呼ばれ、部屋の内部に到来した電波が反射しないようにするためのもの。

児玉

それはもう、撮りたいですし、記録したいです。

寺田

JAXAのコーポレートスローガンはExplore to Realizeなんですが、私はこのRealize(実現)することがやっぱり一番大事だと思っているんです。みんないろんな夢や発想、計画を持っています。そういうなかで筑波宇宙センターはそれを実現するためのセンターなんです。社会の課題を解決したい。地球の環境を守りたい。宇宙進出をしたい。夢が大きくあればあるほど、それを助けて、支えて、実現していくセンターにこれから先の50年もしていきたい。

児玉

いろんな人の宇宙への興味の入り口に立って、それを増幅し誇りに思えるような映像を撮りたいです。かつて子供の頃、科学館で感じた気持ちを今の自分であれば表現できるような気がしているので、お手伝いさせてください(笑)。

寺田

ぜひ、どこかで実現させましょう。


            筑波宇宙センターのシンボルで本部機能を持つ、総合開発推進棟からの眺め。
筑波宇宙センターのシンボルで本部機能を持つ、総合開発推進棟からの眺め。

Profile

画像

映像ディレクター
児玉裕一

新潟市出身。CMやMVなどの映像作品の企画/演出から、ライブの演出まで幅広く従事。カンヌ国際広告祭、Clio Awards、One Showでグランプリを受賞。ほか受賞多数。趣味は宇宙グッズ集め。

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JAXA理事 筑波宇宙センター所長
寺田弘慈

新潟市出身。(児玉さんは、高校の後輩でした。) 技術試験衛星「きく6号、8号」の開発、準天頂衛星初号機「みちびき」プロジェクトマネージャ、広報部長、経営企画部長、調達部長を務めた後、2020年4月より現職。心がけていることは、バランス・リズム・変革。

写真:森本美絵 構成・文:水島七恵

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