筑波宇宙センター [開催報告] だいちの星座プロジェクト ~つくば座の巻~

2015年2月25日(水)

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2月21日(土)に、「だいちの星座プロジェクト」※の「つくば座」の撮像イベントが行われました。

このプログラムは、地上に反射器(コーナーリフレクタ)を設置して、宇宙から地上を撮影(観測)している人工衛星「だいち2号」に写ってしまおうというプログラムです。

陸域観測技術衛星2号(だいち2号)

反射器(コーナーリフレクタ)
この反射器は金沢美術工芸大学の鈴木准教授が設計したものです。

「だいち2号」は航空写真みたいに、宇宙から地上の様子を撮影できる、JAXAが開発した最新の人工衛星です。ただ、航空写真と違うのは、デジタルカメラのように、人の目に見える光(可視光)を集めて撮影するのではなく、「だいち2号」自身が地上に向けて電波を照射して、その跳ね返ってくる電波の強弱で、大地の街並み、森、山を画像化しています。反射器(コーナーリフレクタ)は、特に電波を強く跳ね返すので、「だいち2号」からは明るく輝く星のように見えるわけです。

前号機の「だいち」が観測したつくば市周辺

今回のプログラムでは、市民有志のチームや小中学生などが自作した反射器(星)を、つくば市内の各場所に設置して、市全体で「つくば座」を作ります。

本イベントを主催するアーカスプロジェクトが2月8日に開催した、
反射器の製作ワークショップの様子

 なお、パイプや金網などの反射器の素材は、茨城県を中心に関東地方で大型ホームセンターを展開する(株)ジョイフル本田さんからご提供いただきました。この素材を使って、金沢美術工芸大学の鈴木先生が考案した作成手順で、参加者が自分達の手で反射器を組立てました。

 さて、この計画は上手くいくのでしょうか。
 当日の天気は快晴。絶好の観測され日和(?)でした(実は、だいち2号は雲があっても透過して地上を観測できるので、天候は関係ないのですが)。

これは筑波宇宙センターでの様子。
9つの反射器をうまく組み合わせて一つの大きな星になるように、精密に位置や角度の計算をして配置しました。

人間リフレクタも!

アルミポンチョ型

ダンボール型

かっぱ型

この日、「だいち2号」が、つくば市上空約600㎞を通過する時間は11時36分。
さぁ、みんな宇宙(そら)を見て。
ハイ、チーズ。 パシャ。

さて、みんなの想いは「だいち2号」に届いているでしょうか。

 「だいち2号」には最新の観測装置が搭載されていて、前号機の「だいち」の3倍以上の性能があります。だから、こんな小さな対象物まで写るんです。
 なお、この画像からつくば座を描く為の情報が取り出され、画像処理が加えられた後に、いよいよ大地に描かれた「星座」が浮かび上がる予定です。

 3月7日(土)には茨城県の守谷市で、「もりや座」の撮像が行われます。「もりや座」ではアーカスプロジェクトの拠点、もりや学びの里にてアルミシートをかぶることで撮像に参加できるイベント「人間リフレクタで写ってみよう!」を実施します。ぜひ参加してみませんか!

※「つくば座・もりや座」:この企画は、アートと地域を結びつけることで、地域の活性化を促すために活動している、「アーカスプロジェクト」が主催するもので、金沢美術工芸大学 鈴木浩之研究室による「だいちの星座プロジェクト」を茨城県南地域において実施するにあたり、同大学及びJAXA第一衛星利用ミッション本部の協力により実施されました。


主催:アーカスプロジェクト実行委員会 共催:金沢美術工芸大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)
協賛:株式会社 ジョイフル本田
後援:リモートセンシング学会