第17回 信頼
大西卓哉宇宙飛行士が、第48次/49次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーションでのミッションをスタートさせました。
今回のミッションテーマは「信頼を、さらに強く。日本にしかできないことがある。」と掲げられています。昨年大活躍した油井宇宙飛行士の残した成果を引き継ぎ、日本がISS運用に不可欠な存在である、という強い信頼を国際パートナーから継続することが大西宇宙飛行士の任務です。
「きぼう」日本実験棟を利用したユニークな実験が本格的に始動し、「日本でしかできないこと」が詰まったミッションとなる今回の長期滞在。大西宇宙飛行士の活躍への期待と皆さまの想いをうまく重ね合わせて、素敵な作品を投稿していただければ幸いです。
募集期間:2016年6月6日~7月15日
発表日:2016年8月5日
編集部で熟考の結果、以下の作品を選定しました。力作の数々をどうぞご覧ください。
入選作品
- 信頼が 広い宇宙を 狭くする
- アカエタカ
- 信頼の 絆心の ドッキング
- 木立慈雨
- 信頼は 宇宙(そら)でも通じる 合言葉
- ピノコ
- 「大」きいな 「に」っぽん背負う 「し」んらい感
- 星の街
- 鳥人間 ジャンボに羽ばたき 今宇宙
- キング・コングゥ~
- 無重力 より重くなる 信頼感
- 長芋にまかれたい
- 信頼の 見えぬ絆が 宙と地で
- はったい粉
- 夢希望 信頼運ぶ 宙の船
- 星めぐりの唄
- 実績を 重ね極上 ミルフィーユ
- 爪楊枝
宇宙大航海はクルー同士の信頼あっての舵取りが欠かせません。
地上とソユーズ宇宙船、ISSの乗組員の三位一体!
オレ達ずっと・・・バディです・・・!!
国際宇宙ステーションにおける日本代表です!
当時の仲間たちへの信頼と友情は今も変わらないですね。
これ、船外活動中の宇宙飛行士は実感するでしょうね!
地上の管制官が24時間三交代制で見守っています。
運ぶだけじゃない「こうのとり」が運ぶものはこれ!
今ある信頼感は多くに人の努力の苦労の積み重ねの賜物です。
ソラセン大賞
- ISS (I)いい仕(S)事す(S)る 大西さん
- るるねこ
いい仕事をしてきた歴代日本人宇宙飛行士からのタスキをつなぎ、日々ISSでいい仕事をしている大西宇宙飛行士。うまいゴロ合わせでくすっと笑わせつつ、「いい仕事が信頼を積み上げる」ということを思い起こさせてくれる句です。(編集長 machiko)
互いに尊重し合うことの大切さ
人類を月に送り届けるという歴史に残る偉業を成し遂げたアポロ計画。そのアポロ宇宙船を使った最後のミッションとして1975年7月に実行されたのが、アメリカのアポロ宇宙船とソ連のソユーズ宇宙船を使ったランデブー・ドッキングミッション「アポロ・ソユーズテスト計画」でした。
冷戦を背景に1950年代から熾烈な宇宙開発競争を繰り広げてきた両国が、それぞれの宇宙船をつなぐドッキングモジュールやシステムを新たに開発し、軌道上で両国の宇宙飛行士が握手を交わす光景は、新たな宇宙時代の幕開けを予感させる象徴的な出来事でした。
このミッションは政治的な意味合いが強い出来事としてクローズアップされがちですが、このとき培われた異なる宇宙船同士のドッキング技術や信頼感は現在の国際宇宙ステーションの礎になっています。
『互いの国が互いの実力を認め合いながら、共通の目的に向かって努力することで、両国の関係は良好になり、結果として平和な関係を築くことができます。ISSは、まさにそのような形で、ISS参加国の間の平和に寄与しているのです。』
(油井亀美也の「宙亀日記」 第14話「ISSの存在意義は?」より引用)
という油井宇宙飛行士の言葉には、このとき培われた信頼感が今も受け継がれていることがはっきりと見てとれますね。