第6回 お月見

まだまだ残暑の厳しい折ではありますが、暦の上ではすでに秋。朝晩は幾分過ごしやすくなってきましたね。
9月といえば中秋の名月。竹取物語はもとより古来から日本人と宇宙を結びつける重要なカギとなってきたお月様に思いをめぐらせて素敵な一句をお寄せいただけると幸いです。

募集期間:2013年9月6日~10月4日
発表日:2013年10月21日

古来、抒情をそそる月ゆえにロマンチックなものや食い気? に寄るものが目立ちました。編集部では川柳ならではのおかしみが込められた句を中心に以下の15作品を選定いたしました。

入選作品

遠距離の 恋人の目にも 月の海
ハーコ

君と僕は同じ空の下、今あの月を一緒に眺めているんだよ…。切ないなぁ。

お月見の 主役はすっかり お団子だ
黒こげみかん

実はお団子がヒーローだったりするんですよね。お団子屋さん、盛況でした。

お月見は 月面探査と 名前変え
よったんぼうや

「かぐや」がハイビジョンで撮影した月と地球を見たときは、その美しさに息を呑みました!

お月さま 後ろ頭も 見てみたい
えみ

よくご存じで!月は地球に対して常に同じ面しか見せていないんですよ~。

帰り道 ウチまでいっしょ お月さま
ひまちゃん

夜遅いと月明かりが帰り道のお守りだったりしますよね…。

数年後 月は『観る』から 『もう、行った?』
お酢

こんな時代がすぐそこまで来ています。JAXAも頑張ります!

七年後 見上げて期待 金メダル
良茶

東京五輪の頃に再び仲秋の名月と満月が重なります。金メダルラッシュを期待です!

旅支度 とうに済んでる 月旅行
風来坊

行く気は満々、あとは手段だけ、といったところでしょうか…。

月うさぎ 団子供えて 見る地球
古都里

満月の夜、お地球見をしているうさぎがこちらを眺めているのかも?!

万博の 行列想う 月の石
たかさま

この時の感動と興奮が日本の宇宙開発を支える人材を輩出したかもしれません!

望遠鏡 探すアポロの 忘れ物
ヒメ父

月面探査機により、アポロの忘れ物がきちんと残っていることが証明されていますが、
やっぱり自分の目でも確認したいところ。

孫が言う うさぎいないよ 空気ない
駒ヶ根権兵衞

ほんとかな~? 宇宙は謎と神秘に満ちていますよ♪

満月に 「ツキノミクス」を 願う秋
みにろっく

早く我々にも実りの秋が実感できるようになるといいですね…。

満月を 座敷に招き 宇宙(そら)談義
虎寿翁

天文現象を通じてお茶の間でも宇宙のことを話し合う機会が増えますね。

緑だけ 地球に任す 月の色
まこっちゃん

水と緑が地球の命を育んでいることを実感させられる作品です。

編集長が一番心惹かれた作品を選ぶ、「ソラセン大賞」には次の作品が選ばれました。選評と合わせてご紹介します。おめでとうございます!

ソラセン大賞

見てみたい きぼうの窓から 見る満月
めいパパ

もうすぐ若田宇宙飛行士がISSに向けて打ち上がります。ISS「きぼう」日本実験棟から見る月は大気の影響を受けずに冴え冴えとして美しいことでしょう。句を読んで、私も月を宇宙ステーションの窓から見てみたくなりました!(編集長 machiko)