第5回 ロケット

日本の夏、打ち上げの夏! 夏の青空を背に一筋の白い軌跡を残しながら宇宙へと旅立っていくロケットの姿はいつ見ても感動するものですよね。
地上と宇宙のかけはしとなって活躍するロケットの無事の打ち上げを祈念して今回のテーマは「ロケット」にします。宇宙へ向かって力強く飛翔するロケットに思いをめぐらせて素敵な一句をお寄せいただけると幸いです。

募集期間:2013年6月21日~7月19日
発表日:2013年8月5日

ロケットは皆さんよくご存じなのでうまく韻を踏んで面白い句、印象的な句がたくさん集まったように感じます。編集部でも選定に大変苦慮しましたが、以下の5作品を選定いたしました。。

入選作品

ロケットに 鬼嫁乗せて 飛ばしたい
りのんぱ

思わず打ち上げてしまいたいもの、色々ありますよね…。ダメ夫を乗せて飛ばしたい、なんて言われたら(泣)

打ち上げが 成功したら 打ち上げだ
モリック

想像を絶するプレッシャーを乗り越えて成功した後の美酒は何物にもかえがたいでしょうね!

打ち上げの 地と宙つなぐ 白い糸
こうた

晴れた日、青天の青空のもと打ち上げが行われるとこんな風に見えますよね!

発射時の 轟音(ごうおん) メタボの腹震え 
mn-zero

打ち上げ時の轟音はお腹と背中の皮が太鼓のように共鳴するので、ほんとにビリビリ震えます!

鉛筆が 育ちイトカワ まで届き
まこっちゃん

昔23センチ、今56メートル。この半世紀でロケットはより大きく、打ち上げられた
人工衛星・探査機が向かう場所もより遠くになりました。

編集長が一番心惹かれた作品を選ぶ、「ソラセン大賞」には次の作品が選ばれました。選評と合わせてご紹介します。おめでとうございます!

ソラセン大賞

青空に 一筆書きの 希望の字
小田慶喜

澄み渡った空に打ち上げたロケットが残す軌跡は、達筆な書道家の作品のようにも、地球と宇宙を結ぶへその緒のようにも見えます。地球観測も宇宙探査も有人飛行も、夢や希望を託したすべての宇宙への挑戦は、ロケットの打ち上げからはじまるんですね。(編集長Tasako)

宙川柳コラム

ロケットエンジンの「ノズル」に注目

今回は固体、液体の燃料の形式を問わずロケットに必ず備えられている大事な部品、「ノズル」についてご紹介します。

このメルマガをご覧になっている方にはもはや常識と言っても過言ではないかと思いますが、ロケットのおしりの部分には必ずスカート形の膨らみを持つ部品が取り付けられています。この部分を「ノズル」と呼んでいます。

ノズルはロケットエンジンの内部で燃料を燃やしてできたガスを最後に高速で噴射させて大きな推力を生み出すために欠かせない部品です。

ロケットのノズルの働きは、噴き出されるガスの速度を速めることです。ラッパのような形をしたノズルは、いったんしぼられた状態で、そこからだんだん広がる形になっているため、絞られた状態で噴き出される高速ガスを、音速以上の速度で外へ噴き出させる働きをします。

ノズルが無いとロケットエンジンでどれだけたくさんガスを作っても十分な推力を発揮できず、機体を上昇させられません。ロケットは何万点もの部品を組み合わせて製造されていますが、ひとつひとつの部品がそれぞれ大事な機能を担っていることがお分かりいただけたのではないでしょうか?

この夏は種類の異なるロケットが相次いで打ち上げられます。「ノズル」に限らずそれぞれの違いに注目してご覧になってみてはいかがでしょうか?

JAXAの研究・開発するロケットエンジンの詳細は以下のリンク先でご覧いただけます。