地球観測30周年~地球観測のあゆみと今後~

2017年は、日本初の地球観測衛星「もも1号」が打ち上げられてから30年目にあたります。地球観測衛星から得られたデータは、研究者や国内外の機関に提供され、さまざまな分野で利用され、豊かな社会の実現や便利さに貢献してきました。
これまでの日本の地球観測衛星の軌跡を振り返ります。

JAXAの地球観測衛星

[JAXAの過去・現在・将来の地球観測衛星/センサ]

地球観測衛星の歴史は、1972年に打ち上げられたNASAの地球観測衛星「Landsat-1」(ランドサット1号)を皮切りに始まりました。ランドサット1号は、穀物の収穫予測、土地利用、資源探査などさまざまな利用の地歩を築き、これまで8号機まで継続的に打ち上げられ、今も運用中です。

日本においては、1978年10月に埼玉県に地球観測センターが開設し、翌年1月からJAXAの前身である宇宙開発事業団(NASDA)による「Landsat-2」(ランドサット2号)と「Landsat-3」(ランドサット3号)のデータ受信が始まりました。その後、海外衛星の受信だけでなく、独自の地球観測衛星を打ち上げるという計画が進められました。

1987年2月に種子島宇宙センターから海洋観測衛星「もも1号」(MOS-1)が打ち上げられ、日本でも人工衛星による地球観測が本格的にスタートします。それから30年の間に、ミッションを達成できないまま衛星を喪失するという失敗も経験しました。NASA衛星へのJAXAの観測センサを搭載した衛星も含め、11機の地球観測衛星が打ち上げられ、現在は4機の衛星が運用されています。

現在運用中の地球観測衛星

[現在運用中の地球観測衛星]

地球観測衛星が観測したデータは、研究者や国内外の機関に提供され、防災、社会インフラ、農林水産、気象、環境など、さまざまな分野で利用されています。
地球観測が世の中の役に立ち、社会の豊かさに貢献していくためにも、新しい技術への挑戦など、今後も取り組んでいきます。

[動画] 日本の地球観測衛星30周年 未来につなぐ物語

2017年10月6日更新