いぶき2号の開発試験
宇宙空間で運用する人工衛星は修理ができません。機体に致命的な故障が発生すれば、その時点で運用はストップしてしまいます。ですので、衛星を打ち上げる前に、地上で宇宙空間の過酷な環境を模擬して、少しでも故障リスクを下げるための試験を行います。
音響試験
ロケットは轟音を立てながら「いぶき2号」を宇宙空間まで運びます。その音量は凄まじいもので、ロケット搭載されている人工衛星にも大きな負荷がかかります。音響試験は、ロケット発射時の音を再現して、人工衛星が打ち上げ時の環境に耐えられるか試験を行います。
熱真空試験
宇宙空間は真空で、地上のように太陽光を和らげる大気がなく、日なたの温度は、121℃に、日かげの温度はマイナス121℃にもなる過酷な環境です。このような環境下で「いぶき2号」が壊れずに正しく機能するか確認するためのテストが熱真空試験です。国内最大級のスペースチャンバを使用して宇宙空間の環境を再現します。
残念ながら、どれだけ試験をしても衛星の故障を100%防げるわけではありません。しかし、故障の発生率を少しでも下げるために地上で様々な試験をしているのです。
2018年10月15日(月)更新