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小惑星探査機はやぶさ2

人工衛星・探査機による貢献

「はやぶさ2」概要

小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)は、「はやぶさ」(MUSES-C)の後継機です。その目的は、C型の小惑星「Ryugu」(リュウグウ)を探査し、サンプルを持ち帰ること。

C型小惑星には、その構成物質に有機物や水が含まれていると考えられています。地球誕生の謎に加えて、海の水の起源や生命の原材料となった有機物の起源を探る、それが「はやぶさ2」が目指していることなのです。

多くの“世界初”に挑戦したミッションが「はやぶさ」ですが、「はやぶさ2」では、「はやぶさ」の経験を活かして小惑星探査技術をより確実なものにすることを目指します。それと同時に、人工クレーターの生成、深宇宙での高速通信、新規の観測装置など、新しい技術にも挑戦します。

「はやぶさ2」は、2014年12月3日に打ち上げられ、小惑星到着が2018年。そして2020年末に地球に帰還する予定です。

「はやぶさ2」主要諸元

質量 約600kg
打ち上げ 2014年12月3日13時22分(H-IIAロケット26号機)
軌道 小惑星往復
小惑星到着 2018年
地球帰還 2020年
小惑星滞在期間 約18ヶ月
探査対象天体 探査対象天体 地球接近小惑星 Ryugu (仮符号 1999 JU3)
主要搭載機器 サンプリング機構、地球帰還カプセル、光学カメラ、レーザー測距計、
科学観測機器(近赤外、中間赤外)、衝突装置、小型ローバ

「はやぶさ2」が探査する小惑星「Ryugu」(リュウグウ)

「はやぶさ2」が探査するのは「Ryugu」(リュウグウ)という小惑星で、その大きさは900m程度、地球に接近する軌道を持つ地球接近小惑星(NEO)のひとつです。

小惑星イトカワはS型に分類される小惑星でしたが、「Ryugu」はC型に分類されます。小惑星は、太陽系が誕生した時やその後の進化の情報を持っていると考えられています。地球などの大きな天体では、原材料は一旦溶けてしまったので、それ以上昔の情報にたどりつけません。

一方、現在発見されているだけで数十万個にもおよぶ小惑星や彗星の多くは、それぞれが太陽系内で生まれた時代と場所の記憶を比較的良くとどめています。こうした天体を探査することで、太陽系がどのように生まれ、どのように進化してきたのか、また私達のような地球生命の原材料が宇宙空間でどのように作られ、変化してきたのかについて、知ることができるのです。

この小惑星の仮符号は「1999 JU3」、2015年10月に「Ryugu」(リュウグウ)という名称がつけられました。