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H3ロケット6号機(30形態試験機)

CFTとは?

6号機では打上げの前に種子島宇宙センターで「CFT」と呼ばれる大規模な試験を実施します。「CFT」は「Captive Firing Test」の略でロケット機体を発射台に固縛した状態で行う燃焼試験のことで、第1段推進系の機能・性能確認や機体と設備を組み合わせ全系の打上げまでの一連の作業を通じて機能確認を行うとともに作業性や手順を確認することを目的にしています。

6号機CFTの実施目的

1段実機型タンクステージ燃焼試験(CFT)とは打上げ当日と同じ手順でロケットを射点に移動して推進薬を充填し、エンジン燃焼試験を行い、ロケットおよび地上設備の機能等を確認する試験です。今回初の30S形態の打上げに備え、ロケット機体や打上げ設備を組合せて30形態の機能・性能を確認することを目的としています。
※:CFT=Captive Firing Test

6号機CFTの試験コンフィギュレーション

フェアリング
試験用
SRB-3
なし
LE-9
フライト用
火工品
あり(未結線)
推進薬
充填
エンジン着火
あり

試験の概要

今回の試験では以下の手順で作業を進めます。想定された通りの手順で進められ、各項目がきちんと動作しているかを確認します。

機体移動
大型ロケット組立棟(VAB)からロケットを打ち上げる地点(射点)にロケット/発射台を移動し、機体を制御するための電気ケーブルや、液体推進薬を充填するための配管を接続します。
推進薬(ロケット燃料)充填
設備からロケット機体に液体推進薬(液体水素・液体酸素)を充填します。ロケット燃料は液体水素が-253度、液体酸素が-183度と大変温度が低いため、極低温の状態でも機体の機能が健全に動作することを確認します。併せて、ロケット機体と地上アンテナの電波リンク(RFリンクと呼んでいます)により、ロケット機体の状態がモニタできることも確認します。
機体把持装置の検証
推進薬充填完了後、ロケット機体を支える役割を担う「機体把持装置」を解除・再把持するプロセスを確認します。
カウントダウン
打上げのリハーサルとして、カウントダウンを実施します。第1段エンジンであるLE-9エンジン3基を約25秒間燃焼させます。

H3ロケット6号機(30形態試験機)第1回CFT実施結果

試験目的
  • 機体/設備を組合せて30形態の機能・性能の確認。30形態特有の条件(環境条件、1段推進-エンジン組合せ特性(エンジン定常/過渡特性、タンク加圧特性))、煙道等)について、エンジン燃焼時の確認を行う。
  • 機体把持装置の運用を検証する。※本試験後、7号機(H3-24W形態)にて打上げへの初適用済み。
試験結果
  • 実機タンクと1段エンジン(LE-9:3基)を組み合わせた状態で、打上げ時と同様の手順でLE-9エンジンを燃焼させ、データを良好に取得した。
    X-0時刻
    2025年7月24日6時15分
    エンジン燃焼時間
    25秒(計画通り)
  • 取得したデータを詳細評価した結果、特記事項「1段水素/酸素タンク圧昇圧不足事象」が抽出された。30形態特有の事項であり、22/24形態への水平展開は不要であると識別された一方、特記事象への対応策の妥当性を検証するため、第2回CFTを実施することとした。
H3ロケット6号機(30形態試験機)
第1回1段実機型タンクステージ燃焼試験の様子(2025年7月24日)

H3ロケット6号機(30形態試験機)第2回CFT実施結果

試験目的
  • 第1回CFT(2025年7月実施)で確認された1段水素/酸素タンク圧昇圧不足事象への対応について、エンジン燃焼時のデータを取得し、その妥当性を検証する。
試験結果
  • 実機タンクと1段エンジン(LE-9:3基)を組み合わせた状態で、打上げ時と同様の手順でLE-9エンジンを燃焼させ、データを良好に取得した。
    X-0時刻
    2026年3月15日7時00分
    エンジン燃焼時間
    50秒(※1)(計画通り)(※1)タンク圧の昇圧データを充実化させるため、第1回CFT(燃焼時間25秒間)より長い燃焼時間とした。
  • 1段水素/酸素タンク圧の加圧制御は正常に行われ、予測と同等の結果を得た。これにより、第1回CFTで発生した昇圧不足事象の対策(※2)の妥当性を確認した。(※2)①タンク加圧ガス流量の増加、②タンク加圧制御計画の変更
  • 機体/設備に関するデータ取得・検証試験等を実施し、今後の運用性の改善に繋がるデータを蓄積した。
H3ロケット6号機(30形態試験機)
第2回1段実機型タンクステージ燃焼試験の様子(2026年3月15日)

上記から、30形態のフライトに向けて、機能・性能の検証を概ね完了した。