だいち2号特設サイト
「だいち2号」FAQ~よくあるご質問
Q. 「だいち」と「だいち2号」の主な違いは?
だいちよりも分解する能力が向上し*1、すばやく*2広範囲を観測することが可能になりました。
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また、冠水箇所をより明瞭に把握するなど、災害時の状況把握に役立ちます。
*2 「だいち2号」は、97.3分で地球を南北方向に一周し、少しずつ東西方向に軌道をずらしながら、14日たつと元の場所に戻ってきます。回帰日数が「だいち」の46日から3分の1以下に短縮されたことで、災害などで緊急観測が必要なときの対応が格段に早くなります。
Q. 回帰日数ってどうやって決まるの?
回帰日数とは、地球を周回する衛星が再び同じ場所に戻ってくるまでにかかる日数です。それは主に、衛星の高度と傾斜角の2つの要素によって決まります。「だいち」と「だいち2号」では、高度がそれぞれ691kmと628kmと異なります。その差によって回帰日数に46日と14日という違いが生じています。
Q.だいち2号はどんな観測センサーを搭載しているの?
だいち2号は観測機器として、高性能マイクロ波センサ「フェーズドアレイ式Lバンド合成開口レーダPALSAR-2(パルサー・ツー)」を搭載しています。
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SAR(Synthetic Aperture Radar、合成開口レーダ)とは、航空機や人工衛星などの移動体に搭載され、マイクロ波と呼ばれる電波を照射し、観測対象物から反射して跳ね返ってくる電波を受信、特殊処理することで観測を行うレーダです。
私たちの持っているデジタルカメラなどの光学センサは、物体から跳ね返ってくる太陽の光を感知していますが、SARは自らが照射して物体で跳ね返ってきた電波を感知するため、昼夜変わりなく観測ができます。
また、電波は雨や雲をつきぬけるため、天候を問わず観測が可能です。
Lバンドというのは電波の種類で、マイクロ波の中でも特に波長の長い(約24cm)ものを指します。海外衛星に搭載されているSARで使われているXバンド(約3㎝)やCバンド(約6cm)で、森林を観測すると、木の上の葉っぱ(樹冠)の部分で電波が反射します。しかし、Lバンドの長い波は、一部が植生を透過して地面まで届くために植生や地面の情報を得られるといった独特の強みがあります。
また地殻変動を知るためなどに利用できる「インターフェロメトリ(SAR干渉解析)」という技術を使うのにも、植生の成長などによる変化に左右されることのないLバンドは適しているため、地震が多く、国土の3分の2を植生で覆われている日本には、Lバンドの利用価値が高く、海外に先駆けて、早くから利用されてきました。
Q.「フェーズドアレイアンテナ」ってどんなアンテナ?
大きい傘のようなパラボラアンテナの代わりに、PALSAR-2のフェーズドアレイアンテナ方式は、小型のアンテナを複数並べるのが特徴です。この方式では、一つひとつの小さなアンテナから出る電波を電子的に制御して向きを変えます。そのため、アンテナを固定したままでビーム(電波)を自由に振ることができます。
横10m、縦3mほどの大型アンテナを実現し、かつビームを振るためには、宇宙空間で開くことのできるフェーズドアレーアンテナがより実現性が高く、宇宙ではこの方式を取るのが一般的です。
Q.打ち上げ後はどのように運用が開始され、いつからデータ提供が始まりますか?
「だいち2号」は打ち上げられ、定常モードに移行してから、約3カ月かけて、衛星バスやPALSAR-2の初期機能を確認します。その後、さらに約3カ月間の初期校正検証期間でPALSAR-2の校正・検証を実施します。打ち上げから約6カ月後に校正済みデータの提供を開始する予定です。