JAXAタウンミーティング

「第71回JAXAタウンミーティング in さいたま」(平成23年12月25日開催)
会場で出された意見について



第二部「身近な人工衛星利用」で出された意見



<(1)スペースデブリ対策について、(2)宇宙エレベータについて>
参加者: (1)人工衛星が地球の状態や様態を常に見守っていて、そしてわかりやすく人間に伝えられるように、温度なりいろんな伝え方をしているというのは、お医者さんのように見えてすごくいいなと感じました。しかし、スペースデブリという問題を最近耳にします。人工衛星をつくるというのはすごくメリットがあると思いますが、飛ばし過ぎて、それが逆に人類への凶器にもなりつつあるというのを耳にするので、どういうふうに改善していくのでしょうか。
(2)JAXAさんが関係しているかどうかはよくわからないんですが、「宇宙エレベータ」という話を聞いたことがあって、詳しく見ていくと現実的になり得るのかどうか自分なりに疑問で、構造上どうなのかというのも詳しく教えてください。
舘: (1)スペースデブリは大きな問題だと思っています。まず実態をしっかり把握させていただきますと、スペースデブリは10cmぐらいの大きさのものが宇宙空間に、これは人工でなくていわゆる隕石みたいなものもありますが、数として1万3,000~1万8,000ぐらいの間を推移しています。さいたま市の人口は100万人以上ですから、それに比較してこれを多くみるか少なくみるかですが、そんなに多くはありません。では多くないから大丈夫かというと、これはまた違っていまして、スピードが大体秒速8kmで飛んでいますから、当たったら大変なことになります。ですから当たらないことが大事で、基本的にはスペースデブリを少なくしていく方向になります。ではどうするのかですが、例えば、人工衛星については、不用になったら大気圏に突入させて燃やします。しかも燃えやすいものでつくる必要があります。不用になったものは大気圏に突入させて燃やすことを、国際的な約束事として進めています。これは確かにこれから大きな問題になると思います。
小野田: (2)宇宙エレベータは確かにそういう話題もあって、研究している人もいます。実現しそうにないと今おっしゃったのは、どのように実現しそうにないと思ったのでしょうか。
参加者: 想像図というのを、構造がビルを建てるみたいにつくるとしたら、大気圏を超えるのはビルを建てるみたいにクレーン車でどんどん重ねていくのは、まず不可能かなと思いましたし、くさび状みたいにしないと、どのように地球の自転に合わせていくのかというのが納得がいかなかったという部分がありました。
小野田: (2)どうやってつくるんだろうと思ったわけですね。1つのつくり方は、静止衛星から上と下へロープをどんどんほぼ同じだけ伸ばしていきます。地球の表面までそれが伸びてきたら宇宙エレベータができます。という話は簡単ですが、現実には難しいです。大変難しいのは、静止衛星から地球までロープを下ろすと、このロープにかかる力がものすごく大きな力になります。このような力に耐えるような物質がないということで、暫く前までは実現不可能だろうという話もありましたが、「カーボンナノチューブ」という材料が出てきて強度的に、もしかしたら射程範囲に入るかもしれないという話になり、比較的最近話題に出てきています。かと言って、そう簡単にできるわけではなくて、まだまだいろんな研究がこれから必要だという状況にあることは間違いありません。

<GPSの精度の調整について>
参加者: GPSの補完衛星を上げていただいたことによって、測定精度が1m以内になると、これは非常に喜ばしいことだと思っています。ただ、GPSそのものは政情が不安定な国に対しては、精度をわざと落とすというようなことを聞いたことがありますが、日本の周りには非常に政情が不安定な国が多いですが、そういう対策をどうとっているのでしょうか。
寺田: かつてはGPSは、普通の民生用といいますか、皆さんが一般的に使える信号は、ご指摘の通り精度を意図的に落していました。ところが、たしか2000年だったと思いますが、そこからは政策的に精度を落とすことをやめました。今はGPS衛星も新しい新型の衛星に取り替えようとしていますが、その衛星ではそもそも精度を落とすという機能そのものを載せないようにしています。では何か戦争があったり紛争があったときに、GPS衛星を軍事目的に使われてしまうとそれはそれで困ってしまうので、そういう場合にはどうするかというと、局地的にGPSの電波が受からないように、いわゆるジャミング用の電波を出して、それでGPSを使えなくしてしまうというやり方を戦略的には考えています。一方、GPSでは軍事用の信号があって、これは一般に使えない信号で、こちらを使えばそういうジャミングに対しての耐性があって、いわゆる軍事用のオペレーションで使えるというような使い方をしています。

<(1)準天頂衛星について、(2)宇宙太陽光発電について>
参加者: (1)閣議決定で7機の準天頂衛星を運用するという話を聞いたんですが、どうして7機という形になったのかということと、(2)宇宙太陽光発電という構想をいろいろなところで耳にしますが、どのくらいまで実際に計画しているのかお聞かせください。
寺田: (1)準天頂衛星ですが、測位衛星の原理としては、GPS衛星が同時に4機見えないと測位ができないというのが原理になっています。何で4機見えなければいけないかという原理については少し難しいんですが、座標x、y、z、それから、時刻という4つのパラメーターをとるためにまず4機必要です。現在、準天頂衛星が1機「みちびき」という衛星が打ち上がっていますが、これはもともと準天頂衛星で「準」という意味は、ほぼ天頂という、天頂にいる時間が長いという衛星の名前から来ています。ところが、軌道が非常に変わった軌道で、人工衛星の宿命で地球の中心を中心に回らなければいけないので、日本の上空にずっととどめることはできません。静止衛星というのは赤道上にはとどめておけるんですが、日本上空にとどめておくことはできないので、どうしても北から南に衛星が行ってしまいます。そうすると日本上空には8~10時間ぐらいしかとどめることができません。そうすると先ほど4機衛星が見えなければいけないということで、準天頂衛星4機を整備しても、4つ日本から見ることはできませんので、ほかに例えば静止衛星を組み合わせて、静止衛星3機と準天頂衛星1機が見えれば4機見える。そういういろんな組み合わせを考えたときに24時間確実に4機見える組み合わせは何かというと、例えば静止衛星3機に準天頂衛星4機、合わせて7機配備する。そういうイメージです。準天頂衛星を3機で静止4機にするか、準天頂4機にして静止を3機にするか、この辺はいろいろ考え方があるんですが、いずれにしろ準天頂4機だけでは常に4機の衛星が見えないので、静止衛星と組み合わせて全部で7機配備するというのが今の基本計画で考えていることです。更に言うと今の計画では、まず4機の準天頂衛星を整備しましょうということが最近決まったということです。従いまして、GPSに頼らない日本だけでのシステムを整備するには7機以上必要となります。
小野田: (2)宇宙太陽光発電は衛星のような軌道に大きな構造物を打ち上げて、そこで太陽電池で発電して、その電力を地上に送って、今問題になっているエネルギー問題をも解決しようという構想のものです。太陽発電衛星についての研究は一定の規模でJAXAでも行われていまして、いろいろな大学と一緒になって研究しているというのが現状です。実現までにはいろんな問題を解決しなければいけないわけですが、1つは、衛星から地上に電線があるわけではありませんので、電波で地上に電力を送らなければなりません。効率よく地上で電力を再生できなくてはいけないし、地上で電力を受ける場所に電波が集中的に効率よく到達しなくてはなりません。ハワイでこちらの山から向こうの山に電力を送ってみるとか、お互いに移動してもちゃんとそこに電波が届くかとか、そういう研究が行われています。もう一つの問題は、実際にこれを実用しようと思うと、軌道上に大変大きな構造物を打上げなくてはなりませんので、打ち上げコストが大変膨大なものになるということです。当然のことながら寿命もあるので、そうしたときに太陽発電衛星で発電した電力のコストが幾らになるか、現状のロケットの値段で計算すると、発電した電力の値段が大変高いものになってしまうというのが現状でして、どうやって解決していくかこれから考えなくてはいけません。結論から言うと、大変重要なテーマの1つとして研究は行われていますが、まだ解決しなくてはならない問題もたくさん残っていて、一部については研究が進められているという状態です。

<JAXAの活動の利益について>
参加者: 衛星観測によって、日本のみならず世界各国に恩恵を与えているわけですから、JAXAはそれなりに利益を求めてもいいのではないかと思いますが、技術をただ開発して終わってしまうのは非常に残念だと思います。JAXAは個人的には頑張っていると思いますし、こういった努力をただやりましたではなくて、具体的にそれをどういうふうにJAXA自身が利益として受けているのかお教えください。
舘: 例えば、放送衛星は我々が開発して、これが発展してNHKさんなり民間放送局のユーザーが使っています。それはある程度技術が進歩し、自分のところでやれるという段階まで、いわゆるボトムアップして、後は民間で頑張ってもらっています。同じように気象衛星では、ある程度ボトムアップは国として行ったあとに、気象庁さんにお渡ししました。こうすることで今まで使用していた投資枠を別の方面に活かせることになります。お金をとるかとらないかという問題がありますけれども、JAXAが観測したデータを情報サービスセンターの方にお渡しして、彼らが行政に配信して、いずれこれがだんだんうまくいき、ある程度のお金を回収できる形になるのが望ましいのではないかと思います。ただまだもう少し時間がかかるのが実態だと思います。そのほかに方法はないかというと、日本にはこういう技術があるんだということを示すことで、日本のプレゼンスを高めるという意味での効果は非常に大きいのではないかと思います。国際的にお金をとるのはなかなか難しいと思います。いずれにしろなるべくJAXAの負担を少なくして、民間あるいは他の方に負担していただく方向にはなってきています。
寺田: 観測衛星なんかは撮った画像を直接売って、そのお金を使って運用費に回すとか、そういうやり方はあるのかなと思いますが、例えば先ほどから出ているGPSというのは、皆さん使っていると思いますが、無料で使えているわけです。ヨーロッパでも同じような衛星を開発していますが、ヨーロッパでお金を取ろうかという議論がありました。けれど、結局お金はとっていません。宇宙で開発されたもの、特に人類共通のインフラ的なものについてはお金をとるかとらないかというのはいつも議論になって、それで結果的に取っていないことが多いようです。そういう意味でいつも悩むところではあります。

<準天頂衛星の軌道について>
参加者: 準天頂衛星の軌道はどこをどういうふうに飛ぶとああいう軌道になるのかお教えください。
寺田: まず、人工衛星は地球の中心を中心に回らなければいけません。ですから、例えば日本上空を地球を中心とせずに、北半球だけをぐるぐる回すことはできないわけです。必ず地球中心で回すということで、その結果、北から南にどうしても衛星は飛んでいかなければいけないということです。これが基本原則です。あと、この軌道の周期ですが、これは静止衛星と同じです。ですから静止衛星は赤道上空にあって地球から見ると1点に止まっているように見えるんですが、準天頂衛星は南北に行って、かつ、地球と同じ自転で回っているので、北から南に行くように見える。地球は丸いので北と南に行っているときに少しふくらみます。したがって直線にはならずに8の字になる。更に準天頂衛星が工夫しているのは、円ではなくて楕円にしてあって、楕円にすると半径の長い方は長くとどまることができる。速度がゆっくりになるので長くとどまることができるので、日本上空を楕円の遠い側にしているんです。その結果、南北が対称の8の字が少しいびつになって、それで涙型の形になるということです。実はいつも口でしゃべっているんですが、これを説明する模型とかイラストといいますか、ビデオがあるので、どこかそれを紹介する機会があれば紹介したいと思います。

<科学館等との連携について>
参加者: 今みたいな話をどうしてもホームページでという話になりますね。そうしたホームページと言ったときに多分、日本の中でホームページを見る人は多くなったとはいえ、多分ホームページは目的を持って見ないと多分見られないと思います。JAXAのファンはJAXAのホームページを見るけれども、それ以外の人はホームページを見ない。それでどうすればいいか。例えばこの科学館、お台場の未来館辺りでもう少しそれのPRをしたらどうかと思います。例えば「はやぶさ」のとき、実際に現在の衛星のパネルを展示しているブースがあるんですが、そこに「はやぶさ」の最新の情報は1回も出ていませんでした。だからそういう方々とJAXAはどういう関係にあるかわからなかったんですが、もう少しそのときに情報を提供して展示すると子どもたちはそれを見るし、一緒に来た大人も見るし、学校の先生も見るし、ということでもう少しPRができるかなと思いますが、いかがでしょうか。
寺田: ホームページから皆さんも手軽にアクセスできますが、そうは言っても限界があってパソコンを使っていない、ホームページに慣れていないという方のご意見がたくさんございます。したがって、従来型の紙媒体ですとか、あるいは展示館の展示物の情報を最新化するとか、そういったことの努力を続けていこうと思っています。あとは効率的な観点でどうしてもホームページに頼ってしまうんですが、こういうタウンミーティングも含めて、地道な活動というものもちゃんとやっていければと思っています。科学館との協力というのもご指摘のとおり重要なポイントだと思っていまして、できるだけそういうところに素材を提供するとか、あるいは広報誌を提供するとかして、皆さんへの理解を深めるような活動の努力はしていきたいと思っています。
参加者: 多分JAXAもそうだと思いますが、こういう科学館も予算はかなり少ないです。展示がなかなか変わらない、なかなか最新の情報にならないということで、もう少しその辺がうまくいけばなと思います。

<JAXAの災害時の支援活動について>
参加者: 衛星の利用で災害支援活動でも使われたとありましたが、例えば日本の近郊で非常に災害に悩まされている国がたくさんあると思います。そういったところと協力するとか、何かJAXAさんの方での活動というものがありましたらば、お教えください。
舘: 最近で言いますとタイの洪水のときに私どもが持っている航空機搭載レーダーで洪水域を観測して、このデータをタイの方で活用していただきました。逆に東日本大震災のときには世界から5,000シーンぐらいの映像データをいただきました。何かあればお互いにデータを提供しあいます。センチネルアジアや、国際災害チャータといった枠組みで協力の関係を深く進めています。今日取り上げなかっただけであって、いろんなことをやっています。
寺田: 人工衛星の地球観測衛星の1つの特徴として、ねらったところの観測をいつでもできるわけではありません。ですからそこを通りかかった衛星からデータをもらって、それでタイムリーに観測するという活動をやっています。そういったことでお互いデータを提供しあって、被災地の写真などを撮ってもらうという形で活動を行っています。

<衛星観測データの扱いについて>
参加者: いろんな観測データをとっていますけれども、これはJAXAの自主事業でやっているんですか、それとも委託事業でやっているんですか。地理情報だと国交省、農作物の監視は農水省だと思うので、その辺の関係はどうなっていますか。
舘: 例えば、「だいち」からのデータを、国土地理院さんに渡して、国土地理院さんはそのデータを基に2万5,000分の1の地図をつくっています。元ネタを我々が持っていて、その複製をお渡しして、彼らは2万5,000分の1地形図を作成しているわけです。
参加者: それは有償ですか。
舘: これは有償ではなく、無償です。我々としてはこういう衛星がそういうものに使われるデータであることが実証され、また作成されたものは国民の財産になりますから、無償でお渡ししています。また、例えば、農水省さんも農作物の把握に活用していますけれども、まだ実用化一歩手前ぐらいなものですから、お金をとるわけにはいきません。でも一部はデータを買っていただいています。このような形で徐々にではありますが、経費を受益者に負担していただく方向に進んでいます。

<JAXAの法律による縛りについて>
参加者: 総理大臣の主導か何かで重要戦略に宇宙開発にも力を入れようみたいな話があって、その報道の中で宇宙航空研究開発機構法というものを目にしまして、独立行政法人ですからそういう法律があるのは当たり前なんですけれども、そういう法律があるということは、それなりに縛りもある。質問というよりはお願いに近いのかもしれないんですけれども、その法律を素人の一般の人間でもわかりやすいような形で発信していただけるといいかなと、この場でこんな縛りがあるんだという話を全部聞いている時間はないと思うので、そういう発信があるといいかなと思いました。
舘: JAXA法(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構法)があります。その中身はいろいろありますが、宇宙基本法などに基づいて改正されると思います。また、一般には独立行政法人の通則法がありますので、基本はその通則法に従ってJAXA法があります。縛りがあるかと言うと、例えば、JAXAがCMを打てるかどうかですね。JAXA提供といって1時間番組のCMを打てますかといったときに、皆さんがどう考えるかです。公的機関のCMというのが国民の利益かどうかです。そういうものはどうですか。どう思いますか。
参加者: もしJAXAが開発した何かで得た収入とかであるんだったらいいのではないかと思います。例えば「はやぶさ」の映像の著作権みたいなものは、もう少し囲ってもよかったのかなと思います。
舘: 基本的に我々は料金を取っています。例えば、宣伝の場合は何秒間で幾らということでいただいています。無制限にやっているわけではありませんが、JAXAが1時間番組のCMをつくれるかといったときに、それに何百万円かかるのかわからないですが、国民の皆さんの税金を投じることになります。それがいいかどうか、これは皆さんに議論してもらいたいところです。私も一度聞いてみたいと思っていたのですが、どう思いますか。
参加者: 今JAXAがCMを行うかというのではなくて、逆にJAXAがCM媒体になれば、お金がとれるのではないかというイメージがあります。
舘: それもあると思います。現実にソフトバンクのCMが流れています。あれはお金をいただいています。
参加者: それで一つひとつのミッションについてスポンサーがつくかどうかとか、そういうことの方が気になります。
寺田: スポンサーについては、なかなか難しい問題です。ただ、1つご指摘のあったJAXAの法律とか、JAXAの縛りというものをわかりやすい形で発信することについては、ご指摘のとおりそれに対して、そういうリファレンスがあるからこうあるべきだということもあろうかと思いますので、よい形にしていきたいと思います。今年は宇宙庁をつくるとか、宇宙庁はどうかという議論もあったんですが、今までやっているJAXAというものがよいという意見もあって、そもそもJAXAというのはどういう法律に基づいているかというところはわかりやすくお示しするべきなのかなと思いますので、確かにホームページには細かく書いてあるんですけれども、わかりにくいというのがあると思いますので、対応について考えたいと思います。

<民間のアイデアの受け入れについて>
参加者: 先ほどCM媒体の話に関連するものなんですけれども、私はイメージとしては「かぐや」のときの月の映像とか「なぎさ」といった事実を映像化して、NHK等に流して、国民として受け止めてJAXAすごいなという感銘を受けるんですけれども、あのような形でプレゼンスしていくことが一番、今は大事なのかなと思っています。CMというのは時期尚早なのかなと思いますので、映像なりそういったもので国民に還元していくというところが、国民としては求めているところかなと思います。広報といったJAXAの収益といったものを自前で考えることも大事なんですけれども、縛りもある中で一生懸命やっている中で、ほかの民間にそういったPRとか収益などを入札して、アイデアを入れていくというところも必要ではないかと思います。やっているかどうかということをお伺いしたいなと思ったんですけれども、どうしても自前だと限界があると思うので、そのあたりも入札して民間のアイデアを受け入れたらどうかなと個人的には思っています。
寺田: ご質問のことはやっております。オープンラボという形で企業からの提案を受けて、教育して開発をするという制度があります。ただ、やはりご質問にあるように、まだまだそういうことをやっているということの認知度が低いと思いますので、そういうことをやっているということを広めつつ、どんどん拡大していきたいと思います。

<JAXAのアピールについて>
参加者: お金の問題ですが、政府の財政の問題は日本だけではなくて、ヨーロッパもアメリカも皆困っていることとして、例えばJAXAのやっているようなことで民間にそれを使ってサービスを提供してお金を得ていく。便利さには必ず本当は何かコストがつくはずなのに、便利はただだと思ってしまっているところがあると思いますので、私はやはり今後のことを考えていったら、情報提供をして利潤を得ている者からはお金をしっかりとるべきだと思います。先ほどソフトバンクが微々たるものですと言ったんですが、あの宣伝を見たときに「ここまでやるの」と思ったので、だったらいっぱいとった方が私はいいと思いました。あと、私なんかもそうなんですけれども、今、画面に出ていますが、例えばNHKに出ようが何に出ようが、画像利用するときには、JAXAってあのぐらいの大きさのもので、しっかり存在をアピールするべきだなと思いました。
寺田: ソフトバンクから幾らもらったかというのはここで言えないんですけれども、本当に微々たるものではなく、しっかりもらっていると思います。