「第59回JAXAタウンミーティング in 相模原」(平成23年2月16日開催)
会場で出された意見について
第二部「国際宇宙ステーション・利用活動について」で出された意見
<ISS(国際宇宙ステーション)について(その1)>
参加者:ISSの利用法など、周知拡大に向けた広報活動の具体的な案を教えて下さい。
吉村:ISSを今後10年どうして行くかを検討する委員会や、ワーキンググループを立ち上げました。これは宇宙の専門家だけでなく、いろいろな分野のかたからアイディアが出されています。できるだけ多くのかたに関心を持ってもらえるよう、意見交換ができる場所やそれを紹介する場所を計画しています。
<ISSについて(その2)>
参加者:ISSの寿命について教えて下さい。また施設の増設などの予定はありますか。
吉村:もともとの設計で寿命は10年という設定ですが、構造的に10年で壊れるということはありません。また、増設については、ロシアやアメリカが今年から来年にかけて予定をしています。
<宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)について(その1)>
参加者:「こうのとり」は7号機まで打ち上げると聞きましたが、毎回、改良されているのでしょうか。また、問題点の改善方法について教えて下さい。
吉村:問題の改善については、起きたトラブルを解決する方法と、最初から計画的に取り組む方法があります。打ち上げごとに少しずついろいろな違いが出てくるので、それを1つずつつぶしていく作業をします。また、計画的に進めていることは、スラスター(姿勢制御装置)を輸入品に頼らず、純国産にする取り組みです。現在、3号機から使用を始めていて、少しずつ進化させて、ゆくゆくは回収機能が付いたものを開発できればと考えています。
<宇宙ステーション補給機「こうのとり」について(その2)>
参加者:近々、ISS計画に参加している各国全ての有人宇宙機、補給機がISSに集合するにあたり、「こうのとり」が、現在のドッキング地点から別の場所に移動すると聞きましたが、他の宇宙機、補給機がドッキングしている状態での作業に、危険はないのでしょうか。
吉村:「こうのとり」は、現在正常な位置に落ち着いていて、これから場所を移動します。これは、スペースシャトルがドッキングする際、このままだと尾翼に近づき過ぎてしまうためです。今回、初めてのことなので、危険が無いように各国で細かいルールを作って対応しています。
<JAXAの広報活動について(その1)>
参加者:広報施設「JAXA i」が閉館しましたが、今後、新たにそういった施設を作る予定はありますか。
舘:新しい施設をまた作るというのは、予算的に厳しい部分があります。現在、検討しているのは、全国にある科学館などの施設との連携を強化して、広報活動をして行くのと、トークショーやセミナーなどでも情報を発信していくことです。
<JAXAの広報活動について(その2)>
参加者:広報誌「JAXA's」は、どこで入手できますか。
舘:JAXAの各事業所には必ず置いてありますし、また、全国の科学館にもあります。今後は、送付システムを検討中です。
<JAXAの広報活動について(その3)>
参加者:JAXAで実施している「宇宙学校」や「コズミックカレッジ」など、子どもたちを対象にした非常に良い教育機関、社会教育の場所があるにもかかわらず認知度が低いので、広報をもっと積極的にして欲しい。
舘:JAXAとしても、子どもたちや、宇宙関連に興味が無いかた向けの広報を、より強化していきたいと考えています。具体的な方法については、それぞれの担当が現在、いろいろなアイディアを出しながら検討しています。