JAXAタウンミーティング

第3回:日本女子大学 2004年12月12日開催
テーマ1 なぜ人類は宇宙を目指すのか


参加者A:私自身が感じるところでは、地球は今60億を超える人口を抱え、食糧不足を案じなければならなくなっています。その解決案の1つとして、宇宙で食料や薬品を作るということがあるのではないでしょうか。また、テーマの1では「なぜ人類が」となっていますが、今は比較的限られた先進国や権利・条件に合ったことが宇宙のことを考える余裕があると思います。私は在学中にはじめてスペースシャトルの話を聞いた際、「この先はスペースコロニーをたくさん作り、人間を移住させて、地球は燃料の供給源になって人口爆発も食糧不足も解消できる」と思っていました。それがスペースシャトルの打ち上げの1年前だったような気がしますが、まだ作られていない上に、そのための最適地が2ヶ所くらいしかないと聞いています。そうすると、スペースコロニーが地球の問題を解決するのはもうちょっと先のことではないでしょうか。


的川:ことのきっかけはローマクラブの「成長の限界」というリポートだったと思います。実際にはその頃から、地球環境の破壊ということが明確に出はじめていました。逃げていって宇宙へ住むという方向を選ばず、地球を住みやすい環境に変えていくという方向になったのではないでしょうか。私たちの星にうまく住めないで、月や火星に行ったとしても同じことになるのではないでしょうか。スペースコロニーは将来たくさんの人が住む環境としてできないことではないでしょうが、緊急の課題ではないと思います。


参加者B:緊急の課題というのは災害の予防などでしょうか?


的川:それもその1つであるでしょう。


樋口:そのような仕事をしている人を大変尊敬します。しかし、これだけ啓蒙活動が盛んであるということは、特殊な訓練を受けていなくても、大人も子どもも生涯学習社会で、将来は宇宙へ行けるかも知れないということが、わかっただけでもすばらしいことだと思います。余暇も増えてきているので、気軽に観光旅行に行けることになるといいですね。
地球全体を物理の法則で理解することがまだ完全にできていません。地震や台風の原理はわかっていても、地球を1つのシステムとしてみることはできないのです。そういう意味で、宇宙から地球をまるごとみて、まるごと理解するという活動はようやく始まったばかりなのです。過去3回くらい「地球サミット」をやってきて、10年ほどかけて、まずそういったことを理解するための計画を立てるということを行っています。来年2月にヨーロッパでその計画ができて、各国がそれに従って行動を行っていきます。


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参加者C:宇宙にどうして人間が行ったほうがいいかをより強く思うことができました。宇宙で暮らすには異文化コミュニケーションが重要であるということもありましたが、それは宇宙に行ったから、その1つとしての問題解決ではないかと思います。宇宙に行くにはお金も時間もエネルギーも手間もかかります。小さい単位では家計と同じで、いろんなことに使ってしまうとすぐなくなってしまいますが、大きな夢を描いて、効率よく自分のお金を使っていくようにすれば、大きなことに使えます。地球も同じで、異文化間の交流がうまくいってくれば、無駄なものに使わずにすむのではないでしょうか。ものを壊すのは一瞬でできるが、それを作るためには長い時間がかかります。個人的なことも宇宙のことも一緒であると強く感じました。そういう無駄なお金を宇宙開発に投資できれば、もっと新しいいいことが分かり、新しい循環になるのではないでしょうか。


的川:予算が増えれば増えるほどいいとは考えてはいません。どういう宇宙開発がいいかという点が重要なのです。ただ、私たちは宇宙開発が好きで入ってきていますし、宇宙開発は社会がよくなるために使われていきたいと考えています。


参加者D:「なぜ人類が宇宙を目指すのか」ということで、まだ今の段階では宇宙へ行くのは命の危険を伴います。そのようなときはどのように決心をしているのですか?


土井:私たち、宇宙に行こうとする人間にとって、ロケットは完全に安全なものではありません。一言で言うと、「自分の好きなことをやりたい」という気持ちが、恐怖に優っているのです。自分の命を賭けるなら好きなことをやりたい。宇宙へ行って新しい世界を発見し、それを広めると共に私自身も理解する。それが宇宙へ行ってできるんだと信じています。


的川:宇宙飛行士には、社会的な使命感にあふれた人と、個人的な欲望が強い人がいます。ただ、一言で言うと冒険のようなもの。人間の歴史は、冒険という心を失ったら新しい世界を創れません。もちろん知的な冒険もあると思いますが、宇宙というのはそのような特徴を多く持っているのではないでしょうか。


参加者E:主婦として子どもを育ててくると、子どもは毎日新しい発見の連続である。ところが大人になるに連れて、そのための好奇心やわくわくした気持ちが少なくなってきます。宇宙を目指すというのは人間のDNAの中にある動きに突き動かされているのではないでしょうか。子どもが本来もっている探求心や好奇心をつぶさないように育てていけば、子どもたちの選択肢の中に「人類は宇宙を目指す」という風になってくれると、親としてありがたいです。


的川:もし気軽に宇宙に行ける状態になったとして、宇宙に行きたいという人は?(ほとんど全員の手が挙がった)


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